北光記念病院や時計台記念病院などを運営する社会医療法人社団カレスサッポロ(大城辰美理事長)は7月25日、札幌市中央区のロイトン札幌で2017年度の決算報告会を開催した。今年で6回目となる決算報告会は、大城氏が理事長に就任して以降、病院の経営状況を全病院職員に知らせることが必要だとして始まったもの。2病院3診療所や法人本部のほか、取引関係者や金融関係者など約400人が出席した。IMG_5152(写真は、ロイトン札幌で職員対象に決算報告をする大城辰美理事長)

 決算報告会のテーマは、『決算から見えてくる未来~成長のための構造改革と基盤整備』で、大城理事長は大型スクリーンに1年間の業績を図解入りで示し解説した。第24期(17年4月~18年3月)の決済は、北光記念病院や時計台記念病院などの施設の総収益が99億3500万円、経常利益は3億9800万円だったと報告。第23期と比較すると0・4%の増収、22%の経常減益になった。

 大城理事長は、「目標の100億円には届かなかったが、地域包括ケア拠点施設のカレスプレミアムガーデンが開設1年ですべて軌道に乗った。全体では減益だったが、ほどほどの決算に落ち着いたと思っている」と話した。

 厚生労働省が病院経営法人の自己資本比率として指標に掲げるのは20%以上だが、カレスサッポロは第24期で34%を確保、経営の健全度は高い。「財務状況は良好な状態。できれば一般企業で優良とされる53%以上に2年以内には持っていきたい」(大城氏)と、さらに財務体質の強化を狙う姿勢を示した。
 
 その後、新しい経営体制を構築するため坂口信子氏(北光記念病院看護部長、法人本部企画管理部長、クリニカルシミュレーションセンター長)が看護部門初の理事、藤井美穂氏(時計台記念病院副院長、女性総合診療センターセンター長)が女性医師として初の理事に7月1日付で就任したことが報告された。

 最後に大城理事長は、社会医療法人に認められているホテル業に参入、今年12月に洞爺湖畔に全17室のホテルを開設することを明らかにした。また、市内中心部で女性専用クリニックモールと高齢者施設などの7階建て複合ビルを19年3月に着工すること、札幌中心部に仮称「カレス医療国際センター」を建設する計画も示して報告会を終えた。


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