「きのとや」長沼昭夫会長インタビュー 「北海道お菓子フェアを楽しんでほしい」

経済総合

 北海道新幹線開業と札幌商工会議所創立110周年記念事業として6月24日から7月3日まで札幌大通公園などを会場に「北海道お菓子フェア2016」が開催される。北海道のスイーツやお菓子だけでなく東北のお菓子も勢揃いする一大イベントで、地元札幌や北海道のほか国内外から多くの観光客らで賑わいそうだ。そこで、実行委員会の委員長を務める「きのとや」長沼昭夫会長にフェアの特徴などを聞いた。IMG_4262(写真は、インタビューに答える長沼昭夫会長)

 ――「北海道お菓子フェア2016」開催の経緯を教えてください。

 長沼 今から4年ぐらい前に札幌に「全国菓子大博覧会」を誘致しようと札幌商工会議所と北海道菓子工業組合が連携を取りながら手をあげました。北海道菓子工業組合の上部組織は全国菓子工業組合連合会(全菓連)で、そこが全国菓子大博覧会の主催をしている。4年ほど前には三重県も手をあげていたので投票になりました。
 結果的に三重県が票数で若干上回ったので、第27回は三重県で開催することに決まったのです。来年のゴールデンウイークのころに、三重県伊勢市で、赤福さんが中心になって全国菓子大博覧会が開かれることになっています。
 
 札幌では、1968年の夏に第17回全国菓子博覧会が行われ大成功しました。当時、私は縁がなかったのですが、ちょうど開道100年の時でした。「次に開催するときは開道150年の時だね」と、当時菓子博誘致に尽力した人たちは話していたそうです。150年ぴったりとはいきませんが、その前後でということで27回目に立候補したのですが残念ながら落選。でも、せっかく様々な企画を組んで動こうとしていたので、このままなくなってしまうのはもったいない。そこで、北海道独自でできる範囲のことをやろうと札商の高向巌会頭のアドバイスもあって準備を始めたのが今から3年ほど前です。北海道新幹線開業と札商創立110周年も祝おうと徐々に準備を進めて6月24日からの開催を待つまでになりました。
 
 ――北海道新幹線新函館北斗開業や訪日外国人観光客の入り込みなど、北海道を取り巻く状況も大きく変わっています。今回のお菓子フェアではどういうことをアピールしたいですか?
 
 長沼 北海道は全国的に見ても、「ああいうお菓子屋さんになりたい」と全国のお菓子屋さんが思ってくれるような優良企業、憧れの企業が沢山あるのです。北海道のお菓子のレベルは高いし、なによりおいしい。だから、お菓子だけでもイベントを開くことができるのです。幸い今回は、北海道の主なお菓子屋さんが何らかの形でみんな協力してくれます。オール北海道のお菓子屋さんが集結するので、よかったなと思っています。それを一番アピールしたいですね。
 
 ――足並みを揃えて北海道のスイーツやお菓子をアピールできる貴重な機会ですね。
 
 長沼 大通公園の2丁目会場だけは有料ですが、あとはフリースペースで北3条広場「アカプラ」や百貨店の催事コーナーを使ってお菓子バザールをやります。丸井今井札幌本店では赤福さんも特別に今回は参加してくれます。さっぽろ東急百貨店の催事場には、北海道と東北のお菓子を集中させて「お菓子共演」ができればいいなと思っています。
 今年、新幹線が北海道に上陸しましたが、道民はあまり東北のお菓子は知らないので、少しでも紹介できればという思いもありました。普段、売っていないようなお菓子も出るので楽しみです。
 
 ――長沼会長の目から見て、北海道の洋菓子、スイーツのレベルはこの10年で進化していますか?
 
 長沼 若いパティシエの皆さんたちの新しいお店も増えていますし、繁盛店も相当増えてきていると思います。全国から見学者が来るようなお店も札幌市内に何店舗か出てきました。色んな意味で刺激を受けていると思います。
「さっぽろスイーツコンペティション」も11回を数え、皆さん刺激を受けながら技術を高めようと励んでいます。例えば、札幌市西区の「べんべや」さんや北区の「アンシャルロット」さんも繁盛店です。札幌をスイーツ王国にしようという運動を続けてきましたが、実を結んできているのではないかと思います。その集大成の一端をお菓子フェアが担っているということが言えますね。
 

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