SATO社会保険労務士法人とSATO行政書士法人が運営する「SATO助成金センター」(札幌市東区)は、2022年12月から国家資格になった、ドローン(無人航空機)の操縦士資格取得に利用できる助成金の申請サポートを始めた。企業や団体が、業務拡大や新規事業としてドローンの活用を始めるのに際し、従業員の資格取得経費などに最大で75%+αの国の助成金を活用できるため、そのサポートを行うことにした。(写真は、ドローンの実技講習の様子)

 ドローンの操縦には、民間資格があるが、国は労働人口の減少や地方のインフラ基盤の維持が困難になってきている現状から、ドローンの積極活用でこうした社会課題の解決に繋げようと、2022年12月の改正航空法施行によって、ドローン操縦に国家資格制度を新設した。民間資格は、ドローン飛行の際に国土交通省への申請が必要だが、国家資格は国交省への飛行申請が原則不要になる。国家資格は、一等無人航空機操縦士と二等無人航空機操縦士に分かれ、いずれも16歳以上が対象。

 ドローンの飛行形態には、レベル1(目視内での手動操縦飛行)、レベル2(目視内での自動/自律飛行)、レベル3(無人地帯での補助者なし目視外飛行)、レベル4(有人地帯での補助者なし目視外飛行)の4つがあるが、二等資格はレベル3まで対応でき、一等資格はレベル4に対応できる。国はこれまでレベル4を禁止していたが、一等資格を設けることで飛行できるようにした。これにより、物流や建設、災害時の被害状況把握など、ドローンの利用範囲が大きく広がると見込まれている。

 資格取得は、国交省が指定する無人航空機操縦士試験機関(指定試験機関)が担い、二等初学者は実地10時間以上、学科10時間以上、経験者は学科4時間以上、実地2時間以上。一等初学者は学科18時間以上、実地50時間以上、経験者は学科9時間以上、実地10時間以上。二等資格取得には20万円~30万円、一等資格取得には60万円~100万円の費用がかかる。資格取得には15日間から1ヵ月間が必要。

 国家資格取得にあたり、ドローン免許が業務に関連性があり、受講費用を会社・団体が負担し、雇用保険に入っている従業員などの場合は、人材開発支援助成金制度の人材育成支援コースが活用できる。助成額は45%~60%(大企業は30%)、賃金は1人1時間当たり760円(大企業は380円)。また、新規事業の立ち上げやDX(デジタルトランスフォーメーション)化、グリーン・カーボンニュートラル化を進める際にドローン免許が必要な場合は、事業展開などリスキリング支援コースが活用できる。こちらの助成額は75%(大企業は60%)、賃金助成は1人1時間当たり960円(大企業は480円)。

 また、ドローンの購入では、事業再構築補助金やものづくり補助金などが利用できる場合もある。道内には現在、20ヵ所の無人航空機操縦士試験機関(指定試験機関)がある。国家資格になったことや活用範囲が広がることで、ドローン操縦士資格のニーズは、より高まるとみられている。SATO助成金センターE-mail:joseikin@sato-group.com


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