空知郡上富良野町にあるサッポロビール北海道原料研究センター(本町3-5-25)内にある、築80年の木造倉庫が解体の危機を免れた。道道拡幅工事であわや解体かと危惧されたが、ぎりぎり拡幅範囲に含まれず、歴史を継承することができた。(写真は、サッポロビール北海道原料研究センターにある築80年の木造倉庫)

 サッポロビールと上富良野町のかかわりは、1926年(大正15年)にさかのぼる。サッポロビールなどの前身、大日本麦酒が直営のホップ園を開設したことに始まり、戦後、大日本麦酒の解体でサッポロビールが承継。北海道原料研究センターでは、ホップの育種発などをテーマに研究が続けられている。ホップ栽培では、町内に多くの協働契約栽培農家があり、サッポロビールと上富良野町の深い関係は95年も続いている。

 そんな関係を象徴するのが、木造の倉庫。1941年に建てられたホップの乾燥庫で、今年が築80年。この歴史的な建物が、今年解体の危機に直面していた。建物の目の前を走っている道道291号線(吹上上富良野線)の拡幅工事で拡幅範囲に含まれるかどうか微妙だったからだ。結果、拡幅範囲に含まれず解体を免れ、地元では安堵の声が出ている。

 昨年末に町長に初当選した齋藤繁さんは、「私が子どもの頃から慣れ親しんだ建物。解体を免れて本当に良かった」と喜んでいる。倉庫内は夏でもひんやりしており、ゆったりと時が流れる空間が広がっている。



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