バブル遺産の一つにようやく道筋が付いた。民間企業が夕張郡長沼町でバブル期にオープンさせた「マオイゴルフリゾート」。リゾートはその後、町が無償で買い取ったが、ゴルフコース以外は、塩漬け状態だった。そんな土地の一角、フラワーパークエリア約15万6000㎡が、イギリスのチョコレートブランド「ホテルショコラ」に売却されることになった。(写真は、ホテルショコラに売却されるフラワーパークエリア=左側の敷地)

「マオイゴルフリゾート」は、1994年に開業した27ホールのゴルフ場やショートコース、テニスコート、ホテルなどを備えたリゾート。JR北海道と住友商事、鴻池組の3社共同で約140億円投じて造成した。しかし、バブル崩壊で事業の見通しが立たなくなったため3社は長沼町に無償譲渡。その後、町は第3セクターでリゾートの運営を続けてきたが、赤字が続いたために指定管理者方式を導入を機に、ゴルフ場の運営だけになっていた。しかし、ゴルフ場運営も2年前のシーズンから休止状態になっている。

 今年に入って町は、リゾート内のフラワーパークについて民間事業者に売却することを決定。4月30日に、公募型プロポーザルを実施することを告知。2事業者が応募したが、1社は辞退した。6月23日の審査会で候補者をホテルショコラの日本法人(東京都渋谷区)に決定。今後、町は町議会に財産処分の議案を提出、可決後に本契約を結ぶ。

 土地売却額は2324万円を予定しており、同社は2026年度までにチョコレート製造工場を建設、稼働させる。200人の雇用を予定している。今回、「フラワーパーク」の売却にめどが付いたが、本丸のゴルフ場は手つかずの状態。指定管理者制度も宙に浮いたままで最大のバブル遺産には道筋が見えていない。


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