札幌市内で大掛かりな工事代金の未払い事件が起きている。発注者と元請会社が共謀し、下請けや孫請け会社に工事代金を支払わないもので2006年以降、ほぼ毎年繰り返し起こっているという。被害額は、数千万円とされ実際に代金を受け取ることができなかった下請けや孫請けは1社や2社ではない。発注者と元請会社は完成した建物を売却して得た資金の一部を反社会勢力に上納しているとされている。
 
 06年ころから起きている未払い事件は、発注者がA社、B社、C社などと違い代表者名も違うが、偽名を使うなどして同一人物が繰り返し事件を首謀しているという。発注者と元請会社は共謀してあらかじめ資金の貸し借りを偽装し、発注代金や建物引渡しによる代金が発注者と元請会社に還流する仕組みを作り上げている。
 
 下請けや孫請けが基礎工事や鉄骨を組み立てる工事を元請から請け負って完成させ、元請に代金を要求しても「カネはない」の一点張り。巧妙に仕組まれているため法律的にも代金回収が難しく、多くの下請け、孫請けは泣き寝入りを強いられている。
 
 工事代金の額は、数千万円から2億円まで様々だが、マンションや賃貸アパート、オフィスビルなど06年以降、札幌市内などで5件程度の被害が出ている。
 
 発注者とされる人物は、工事代金未払いで得た資金の一部を道外の反社会勢力に上納しているとされ、こうした勢力の資金源のひとつとなっている可能性が高い。
 
 現在も札幌市内のある工事を巡って未払いが発生している模様。被害の相談を受けている関係者は「工事代金未払いの壮大な仕掛けが背後にある。被害を受けた人は関係機関に相談して欲しい」と語っている。


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