昭和の名残がまた一つ消える!「中島公園東通横断歩道橋」撤去へ

社会・文化

 札幌パークホテルの建て替えや札幌市のMICE施設建設が決まっている中島公園周辺。近くでは旧キリンビール園や旧ヤマハ札幌センターの建物も解体されて更地になっており、次の開発が構想されている。そんな生まれ変わりの地に昭和の残像のように佇んでいるのが歩道橋。右側の螺旋階段がアクセントになり、どことなく愛らしい印象を漂わせているが、この歩道橋、時代に追い立てられるよう撤去が決まった。(写真は、撤去が決まった「中島公園東通横断歩道橋」)

 この歩道橋は、「中島公園東通横断歩道橋」が正式名称で1973年に北炭機械工業によって設置された。当時は資生館小学校の通学路でもあったことや、ヤマハ札幌センターも賑わっていたこともあって利用者が多かった。しかし、利用者は年々減少、2004年9年の1日当たり利用者は851人だったが、以後、13年9月387人、16年9月125人となり直近の19年7月は65人となって15年間で利用者は90%以上減った。

 札幌市では、12年度に「横断歩道橋のあり方検討員会」を開催、利用者が少ない歩道橋については撤去候補として地域で協議することを決めている。5年に1回見直すことにしており、「中島公園東通横断歩道橋」は17年度の見直しで撤去候補とされた。

 これを受けて19年に入って同歩道橋近くの地域関係者や学校、警察、市の関係種が協議会を開催。2回目となる10月30日の協議会で「撤去」の結論が出た。撤去には約3000万円がかかるという。

 現在、市内には市が管理している歩道橋が39橋(北海道開発局管理の歩道橋は27橋=17年12月現在)あり、大半が1960代後半から70年代半ばに建設されている。交通安全の重要な役割を果たしてきたが、その多くが利用者減少と老朽化によって撤去される方向だ。
 
 撤去が決まった「中島公園東通横断歩道橋」が実際に姿を消すのは20年度に入ってから。中島公園周辺が大きく生まれ変わろうとしている今、47年で幕を閉じようとしているこの歩道橋、どこか誇らしげに見える。

関連記事

SUPPORTER

SUPPORTER