海外資本による北海道の森林買収、2018年は166haで大通公園の21倍

社会・文化

 2018年に海外資本が取得した北海道の森林面積は、札幌の大通公園の21倍に相当することがわかった。北海道が発表した『海外資本等による森林取得状況』によると、18年はニセコ地区や洞爺湖周辺など28件、166haに及んだ。最も多かったのは倶知安町の79haで全体の48%を占めた。ここ数年は毎年100haを超える森林が海外資本に買収されており、毎年大通公園(7・8ha)の10倍以上の面積が外資の手に渡っていることになる。(写真は、羊蹄山を望む倶知安町ひらふ坂)

 道がまとめた18年1~12月の『海外資本等による森林取得状況』によると、居住地が海外にある法人又は個人による森林取得事例は21件108ha。内訳は、倶知安町5件37ha、初山別村1件34ha、蘭越町7件23・48ha、真狩村1件7ha、ニセコ町6件3・9ha、洞爺湖町1件3haとなった。

 国内の外資系企業による森林取得は7件58haで内訳は、倶知安町1件42ha、広尾町1件10ha、雄武町2件3ha、恵庭市1件3ha、北広島市1件0・5ha、別海町1件0・05haとなっている。

 国別にみると、中国91・4ha、シンガポール49ha、スペイン10・05ha、オーストラリア5・03ha、タイ3・6ha、カナダ3・05ha、フィリピン0・8ha、英国ヴァージン諸島0・76ha。

 居住地が海外にある法人又は個人の取得目的は、資産保有や別荘用地向けで不明や未定のものもある。国内の外資系企業の取得目的は、倶知安町での宿泊施設建設や恵庭市、北広島市、広尾町、別海町での太陽光発電、雄武町はカナダ資本による鉱物資源の調査だった。

 13年以降の海外資本による森林取得の件数と面積の推移は次の通り。(いずれも1~12月)
■2013年 13件196ha
■2014年 9件172ha
■2015年 11件107ha
■2016年 30件509ha
■2017年 56件120ha
 
 これまでの海外資本による森林所有の累計は、181件2725haになっている。そのうち倶知安町は62件555haで面積では2割を占めている。ちなみに大通公園(西1丁目から12丁目)の面積は7・8ha。18年は大通公園の21倍の森林が海外資本によって買収され、累計では350倍に及んでいる。

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