(写真は、昨年10月に開催されたプレNo Mapsでのパネルディスカッション)
そして5つの事業の中で特に重要と位置づけているのが➄の実験。
No Mapsの運営は実行委員会形式で北海道を代表する民間企業、官公庁、大学など。その強みを活かして、官公庁などとも連携して札幌・北海道を先端技術・サービスの社会的な実証実験の聖地にすることを目指して、企業、団体による実証実験などのサポートや、先端技術開発に取り組む企業などのスタートアップ支援活動を行う。
その取り組みの1つとして「No Maps Future Lab」という組織を設置。そのラボの中にNo Maps、官公庁、大学などでなる連絡調整会議を設け、企業から実験の要望が来た際に、札幌・北海道が他都市よりもいち早く実証実験ができるような地域にして、その積み重ねによって先端技術などに関わる企業が集積していくことにつなげたい意向。このラボの設置は今夏を予定している。
また実証実験だけではなく、先端技術やアイデアを活かして新しいビジネスを起こすクリエイティブな起業家を札幌・北海道から輩出していくための環境づくりにも積極的に取り組む。こうした人材育成のための事業をメーン会期だけでなく継続的に開催していくことによって、一過性のイベントで終わるのではなく、事業として「No Maps」を展開していく。
「No Maps」の記者会見は21日に札幌市中央区の札幌市役所で行われたが、実行委員長を務めるクリプトン・フューチャー・メディアの伊藤博之社長はこう語っている。「世界中から憧れの場所として北海道には多くの人が訪れているが、まだまだ北海道の可能性が高められると思っている。そのためにクリエイティブな側面で北海道を1つの実験場としてチャレンジしていくのがNo Mapsです」。
「No Maps」の言葉の由来は、アメリカのSF作家、ウィリアム・ギブスンの同名のドキュメンタリー映画にちなんで命名されたもの。「地図なき領域を開拓する」という願いが込められているそうだ。伊藤社長を船頭にオール北海道で挑むこの一大事業が北海道にどんな未来地図をもたらすのか、21世紀の開拓に期待したい。