札幌ドームで21日、ラクビーワールドカップのオートスラリアとフィジーの試合が行われた。4年に1度開かれる世界最高レベルのラクビーに観客は魅了されていた。(写真は、札幌ドームで行われたオーストラリアとフィジーの試合)

 ことさらラクビーに関心がある訳ではなかった。ワールドカップ日本大会の公式キャッチコピーは『4年に一度じゃない。一生に一度だ』。市内でもこのコピーが氾濫したが、遠いものに感じ心に響いてこなかった。前日の日本戦。トライの爽快感に心が躍った。遠かったものが急に近くに来たような気分になった。

 札幌ドームには通いなれていた。車中の乗客や駅からドームに向かう人の波。ファイターズやコンサドーレで見慣れた風景がこの日は違っていた。外国人やシニアたちのおびただしい数に非日常感が増した。道すがら高揚感が湧き出てくるような感覚になった。

 3万6千人を超えたドームの観客は4割近くが外国人。これも初めて見るドームの光景だ。オーストラリアチームの黄色のユニフォームを着た外国人ファンが目立ったが、フィジーのファンも好機のたびに雄叫びをあげた。グランドでぶつかり合い、走り抜ける選手たちの動きにうねりのような歓声がドームに響きあった。

 スリリングでエネルギッシュな80分間はオーストラリアが勝利した。野球は「鮮烈」、サッカーは「華麗」なものだがラクビーは「剛胆」。世界各地のファンたちが集うドームで同じ空気を感じ合えたことに誇らしさを抱いた。ワールドカップ旋風が札幌を席巻した。


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