「北方ジャーナル」2023年6月号が5月15日から店頭に並んだ。今月のトップは、本誌独占の「なんでもありの違法逮捕、国賠へ」だ。札幌中心部の住宅地で3月下旬、面妖な捕り物があった。被害が否定された傷害事件で警察が当事者を騙して同居人に容疑をかけ、任意同行を拒否したその人を「立てこもり」扱いしたのだ。そこから4時間もの間、警察はなぜか逮捕状を裁判所に請求しようとせず、挙げ句は銃で武装した捜査員による強行突入・緊急逮捕に踏み切った。のちに違法捜査の被害が認められて釈放された元容疑者は近く、捜査機関に賠償を求める訴えを起こす考えだ。(画像は北方ジャーナル6月号の表紙)
時に選挙は残酷な現実を突きつける。過去に何度か繰り返されてきた多選を目指す現職首長の惨敗。4月23日に投開票が行なわれた函館市長選は、そんなリアリズムを見せつけた。4選を目指した現職・工藤寿樹氏(73、自民党・公明党函館支部推薦)と新人で同市元保健福祉部長、大泉潤氏(57、立憲民主党支持)の一騎打ち。結果は4倍以上の大差で大泉氏の圧勝というものだった。この民意の大きなうねりの根底にあったのは何なのか。
“核のゴミ”の最終処分地選定問題で物議を醸し、全国的に耳目を集めた後志管内の寿都町。この水産のまちを支える大黒柱、寿都町漁業協同組合に関する続報にも注目だ。先の5月号で報告した通り、同漁協では小西正之組合長、塚越由一副組合長、佐藤匡将氏ら理事3名と横山登監事が3月下旬に相次いで辞任。これら4人の辞任により役員に欠員が生まれたことを受けた補欠選挙で新しい理事と監事が選任されている。新体制の顔ぶれを紹介するとともに、明らかになった過去の不透明支出についても報告する。
4年前の在学生自殺事案がハラスメント認定されたばかりの北海道立高等看護学院をめぐる問題で、同認定と時期を同じくして別の被害申告がことごとく認められない結果に終わっていたことがわかった。さらにまた別の被害の示談交渉では被害者がようやく納得できる額の賠償が認められるなど、事案によって首尾が大きく異なる事態に。舞台はいずれも道東・紋別の看護学院。長い闘いを強いられた当事者の声とともに、各件の顛末を報告したい。
本誌独占の道警不祥事検証シリーズもお見逃しなく。地元警察の不祥事、本年第1四半期(1―3月)の処分記録が出揃ったが、北海道職員の中で唯一懲戒処分の全件発表を免がれる“警察特権”は2023年も磐石。同時期に1件だけ記録された懲戒事案は複数の未成年が関わる「不適切」な不祥事だったが、処分が公表された形跡はない。
さらに住宅や不動産関係のディープな情報を読めると好評な「シリーズ・住宅不動産情報」では、札幌の市街地(工場や住宅展示場跡)に出現した3000坪超の更地3カ所をピックアップ。日ハム新球場のグランドにも匹敵する広さの更地の行方を占ってみた。このほか北海道ボールパーク関係の話題も要チェック。ここに来夏、誕生するのが光ハイツが運営するアクティブシニア向け賃貸住宅「マスターズヴェラス」、そして併設されるのがミライシアホールディングが手がけるメディカルモール「Fビレッジ メディカル スクエア」だ。地域と未来を見据えた事業に注目が集まっている。道内の事件、話題が詰まった北方ジャーナル6月号のお買い求めは、離島にいる方も都会に住んでいる方もお近くのセイコーマートへ。大手書店、アマゾンなどでも購入可能。北方ジャーナルへの問い合わせや注文などは、右側下にある同誌のバナーをクリック。
※6月号主要コンテンツ
【報道】
■道警・問われる強制捜査の要件──違法逮捕、国賠へ。無令状で窓破り突入“緊急逮捕”
■函館市長選で大泉潤氏が現職に4倍差で圧勝。市民に共感呼んだ未来への危機感
■寿都町漁協の“黒い霧”を追う〈3〉──新体制スタート漁協でまだあった“不透明なカネの流れ”
■告発・絶望の学府〈25〉──江差と明暗分けた「紋別」。退学強要、パワハラ不認定
■道警不祥事から考える〈63〉──未成年「同伴」4時間。異性関係事案、本年も最多か
【ニュース】
■躍進する化粧品メーカーのシロが創業地の砂川に新工場をオープン
■神恵内村長選で破れた瀬尾氏が新たに挑戦した泊村議選で落選
【シリーズ・住宅不動産情報】⑦
◾️札幌の市街地に出現した3千坪超の更地3選。広さはエスコンフィールド並み
【自治体】
●スマートシティ実現に向けて──。農業だけに留まらない岩見沢市の住民に優しい地域DX
【人】
●佐藤のりゆきさんがキャスター生活50周年。道民と共有した喜怒哀楽に誇り
●【追悼】永田吉則・元北海道経済部次長(前コープさっぽろ顧問)を偲ぶ
【医療】
●骨盤臓器脱患者に朗報。藤井美穂院長がチーム医療で取り組む時計台記念病院「女性骨盤底センター」
【企業】
●北海道BPに誕生するハイクラスな光ハイツのサ高住「マスターズヴェラス」
●北海道BPのメディカルモールを担うミライシアホールディング
●社会課題を受け止めながら地元を元気にするホクノーの地域おこし
【介護】
●「元気な介護グループ」が札幌市内でサ高住「リーフィール」2施設を開業
【社会】
●NPO法人「楽しいモグラクラブ」が動画編集サービスを開始。ひきこもり支援にDXを活用
【長期連載】
●〝農と食〟北の大地から(199)──「ヘンプ」から「ローズマリー」へ。松家源一さん(東川町)の挑戦
●ルポ「ひきこもり」(93)──ある母親の告白。子どもの回復で知った執着という名の呪縛の重さ
●戦争遺産をめぐる旅(90)──海軍のレーダー基地だった青森八戸の「葦毛崎展望台」