北海道の月刊誌「北方ジャーナル」2023年2月号がきょう14日から店頭に並んだ(セイコーマートは15日発売)。今月のトップは全国的に耳目を集めた白鳳寺・御霊堂元町の経営破綻事件の続報だ。永代供養を信じて遺骨を預けていた利用者を不安の底に突き落とし、全国にも波紋を呼んだ宗教法人白鳳寺(札幌市東区・太田司代表役員)の経営破綻問題。御霊堂元町に残されていた遺骨は12月中旬から希望する檀家へ引き渡されたが、今なお納骨堂には多くの遺骨が残されたままだ。宗教法人を盾にした“納骨堂ビジネス”はいかにスタートし、頓挫したのか。浮かび上がってきたのは、転売と漂流の果てに詐欺事件を起こした宗教法人の“黒歴史”だった──。(画像は北方ジャーナル2月号の表紙)

 同誌が継続的に報じている首相演説野次排除事件をめぐる国家賠償請求訴訟の行方にも注目だ。師走の札幌で幕を開けた、その控訴審は一審に続き、またしても独特の立証活動で関係者らを抱腹させることとなった。証言台に着いた警察官は“自爆”し、証拠映像が爆笑を呼ぶ──。昨年3月の地裁判決で完敗を喫した地元警察が新たに提出した証拠の内容は、なんと「高度なギャグセンス」に満ちたものだった。

 道南の北斗市が手掛けた1社随契による公共施設のLED化事業で新たな疑惑が浮上した。市と契約した業者が5ヵ所の公共施設の照明をLED化した中で、実際は4灯しかない屋外灯を211灯にカウントして見積もっている現場があることを市議が議会で指摘。「ここだけで市は700万円以上、余計に払わせられたことになる」としてさらに追及する構えを見せている。この北斗市の一連の問題では、最近マスコミをはじめ捜査当局も関心を深めているとされ、現地では「大きな山場が訪れる日も近い」との情報が飛び交っている。

 飼料代の高騰や個体販売価格の低下、牛乳・乳製品の需要低迷という“三重苦”の中で、持続可能な酪農に転換していくには、どう考え行動していけばいいのか──。同誌の連載「農と食」を担当しているルポライターの滝川康治氏が根室管内中標津町で「土・草・牛の循環」を重視した適正規模のマイペース酪農を続け、今は「酪農適塾」を主宰する三友盛行さんの直言に耳を傾ける。先月に続く後編では、先人の教えに学びつつ農村志向の人たちと創る明日への希望について、じっくり話を訊いた。

 ロシアによるウクライナ戦争で環境が一変した北方領土の問題を抱える根室特集も見逃せない。青天の霹靂の出来事が続く中で「水産都市・根室の復興」に向け采配を振るう石垣雅敏市長、30年前に戻った返還運動の中でも前を向く元島民、力強く地元経済を支える大地みらい信金・遠藤修一理事長の北海道信用金庫協会会長としての決意など、そこには決して諦めない地域の人々の熱い思いがある。

 このほか、野口秀夫会長が急逝した直後に実現した野口観光3代目・野口和秀社長へのインタビュー、総合商社双日が計画している毛無山・巨大風力発電の行方を追ったレポート、統一教会問題で「名誉毀損」を問う旭川・衆議vs市議の裁判初弁論レポートにも注目。同誌でしか読めない道内の事件、話題が詰まった北方ジャーナル2月号のお買い求めは、離島にいる方も都会に住んでいる方もお近くのセイコーマートへ。大手書店、アマゾンなどでも購入可能。北方ジャーナルへの問い合わせや注文などは、右側下にある同誌のバナーをクリック。

※2月号主要コンテンツ
【報道】
◾️白鳳寺・御霊堂元町の“遺骨難民事件”を追う〈2〉──巨額詐欺で札幌市に問われる納骨堂許可
◾️首相批判封殺の波紋〈26〉──道警提出の動画に関係者ら爆笑、野次排除・国賠控訴審で初弁論
◾️性的少数者に法の下の平等を〈5〉──当事者が実名明かし陳述「結婚の自由」訴訟控訴審
◾️双日の毛無山・巨大風力発電の行方──準備書縦覧を前に小樽市議会が守る会の要望書を採択
■実際は4灯を211灯とカウント? 北斗市「1社随契LED事業」で新たに浮上した水増し疑惑

【ニュース】
■新幹線の要対策土搬入から1年で手稲山口の住民団体らが抗議行動
■同性事実婚の元道職員、尋問へ。札幌・SOGIハラ訴訟が佳境
■旭川・衆議vs市議の裁判初弁論、統一教会問題で「名誉毀損」問う
■密室の取り調べ、可視化へ一歩。札弁「立ち会い推進」で一定成果

【道東・根室特集】
◇石垣雅敏根室市長に訊く──「数々の青天の霹靂を乗り越え水産都市・根室の復興に尽力」
◇千島歯舞諸島居住者連盟根室支部・角鹿泰司さんに訊く──「30年前に戻った北方領土問題」
◇北海道信用金庫協会・遠藤修一会長に訊く──「地域とともに生きることが信用金庫の真髄であり使命」
◇栽培漁業の拠点「根室市水産研究所」──地域密着で資源増大を推進する水産都市の挑戦

【企業】
●野口観光3代目・野口和秀社長に訊く──「祖父と父が築いた土台に加えたい自分の新カラー」
●【再録インタビュー】追悼・野口秀夫会長──「書かれて変われることもある」

【酪農危機・緊急インタビュー】
◾️中標津発・三友盛行さんに訊く(後編)──適正規模の深い意味を見つめ「土・草・牛の好循環酪農」へ

【経済】
●シリーズ・住宅不動産情報④──札幌市内で活況の分譲マンション建設
●冬でも本格練習が可能な「ジ・イーグル・ゴルフ」開業へ。正栄プロジェクトがゴルフ業界に本格参入
●新千歳空港で行列が絶えない「美瑛選果」パン人気の背景──大ヒットのきっかけは〝餅は餅屋〟

【医療】
●さっぽろ麻生乳腺甲状腺クリニックの亀田院長に訊く──「乳がん検診控えが招く怖いリスク」

【ペット問題】
●「キャッツライフサポート小樽」代表の石川歩佳音さんに訊く──「不幸になる猫たちを救いたい」

【長期連載】
●ルポ「ひきこもり」(89)──5年に亘るレタポス「小樽の居場所事業」で見えた希望と課題
●戦争遺産をめぐる旅(87)──「呉市海事歴史科学館」(後編)──大和ミュージアムの零戦


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