「北方ジャーナル」2021年8月号が本日15日、店頭に並んだ。今月のトップは、全国から高い関心を集めている旭川医大の続報「断罪された“裸の王様”」だ。同大学の学長選考会議(西川祐司議長)は6月24日付けで吉田晃敏学長(69)の解任を萩生田光一文部科学大臣に申し出て、事実上の放逐を決めた。就任以来14年にわたりトップに君臨し、近年における大学の迷走とガバナンスの機能不全を招いた“裸の王様”、吉田学長。現役教授らが立ち上げた「旭川医科大学の正常化を求める会」の解任請求から約4カ月を経て選考会議が下した決断は、どのような理由に基づくものだったのか──。(画像は、北方ジャーナル8月号の表紙)

 同医大がらみの報道で、取材にあたっていた北海道新聞の記者が建造物侵入で逮捕された“事件”を追った「学長解任騒動、想定外の余話 どうした、道新」にも注目だ。公共施設への立ち入りを犯罪とみなした大学や捜査当局の不可解さ、そして記者が所属する新聞社はなぜ歯切れの悪い対応に終始したのか。道新内部からは自社報道と内部調査報告に不信の声が噴出している。

 教員による学生へのとんでもないパワハラが明るみになった道立江差高等看護学院に関する調査報道第4弾では、パワハラが江差だけではなく道内複数の看護学院で疑われ始めたことに加え、不正受給という別の深刻な不祥事が浮上したことを報告。この問題について7月3日に開かれた道議会保健福祉委員会における質疑も丸ごと採録した。「絶望の学府」の問題解明と学生たちの被害救済は、いつ果たされるのか。

 このほか水産系廃棄物処理施設から出る廃棄物を事業主体である豊浦町が山林に不法投棄し、道警が捜査に乗り出している事件、「核のゴミ」の事前調査を争点に20年ぶりの選挙戦となる見込みの寿都町長選、殺処分をゼロにした市民団体の努力を軽んじる小樽市保健所などのレポートなどもオススメ。北海道を日本の食糧基地にした立役者である「札幌の農業」にスポットを当てたアグリレポートも必読。本誌でしか読めない道内の事件、話題が詰まった北方ジャーナル8月号のお買い求めは、離島にいる方も都会に住んでいる方もお近くのセイコーマートへ。大手書店、アマゾンでも購入可能。北方ジャーナルへの問い合わせや注文などは、右側下方にある同誌のバナーをクリック。

※8月号主要コンテンツ
【報道】
■吉田学長の放逐を決めた旭川医大─断罪された“裸の王様”。「解任申し出」に注目集まる文科大臣の判断
■学長解任騒動、想定外の余話─「旭川医大取材中の記者逮捕」で道新内部から噴出した不信の声
■告発・絶望の学府〈4〉─虚偽申請 319万円。道立看護学院は不正受給とパワハラの温床か
■豊浦町が廃棄物処理施設の廃液を山林に不法投棄し、道警が町役場を家宅捜索
■首相批判封殺の波紋〈18〉 「安倍やめろ」排除から丸2年、“ヤジポイ訴訟”証人どこまで
■“核のゴミ”レポートPART22─寿都町「事前調査」の賛否を争点に20年ぶりの選挙戦へ
■予算不足に苦しむ犬管理所。殺処分をゼロにした市民らの努力を軽んじる小樽市保健所

【ニュース】
■道百年記念塔解体の白紙撤回求めるCFが目標を超える370万円到達
■路上の隣人たちにもワクチンを。札幌の支援団体が市に申し入れ
■元道職員「SOGIハラ」で提訴。同性カップルにも“扶養”認定を

【経済】
■「道内20信金3月期決算」を読み解く。コロナ禍で大きく伸びた貸出金
■次亜塩素酸水のESIが新事業で公営団地のゴミ屋敷問題に挑戦
■激変する葬儀のカタチ─直葬が急増! コロナとネットが変える“弔い”

【アグリレポート】
■三部英二氏に訊く「こんなに凄い! 知られざる札幌農業の魅力と実力」

【フォトレポート】
●「ミス・アース・ジャパン北海道大会2021」開催。グランプリに輝いた吉田小夏さん
●杉村太蔵が旭川の買物公園を再生へ。食と文化の発信拠点「ここはれて」来夏開業

【長期連載】
●“農と食”北の大地から。北海道産アスパラガスの歴史と今(後編)希望の光は学生たちの援農事業
●ルポ「ひきこもり」(71)─池上正樹氏のオンライン講演会から「115万人それぞれの困りごと」
●戦争遺産をめぐる旅(72)─「2発目の原爆」がもたらした惨禍を伝える長崎の平和公園


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