「北方ジャーナル」2021年1月号が本日14日、店頭に並んだ。今月のトップは「轢き逃げにならなかった現職市議の交通事故」。その交通事故は1年ほど前、美唄市の中心部で起きた。地元警察が物損事故として処理したそれは、のちに「乗用車」と「歩行者」の接触事故として記録される。車を運転し現場から走り去った市議は「気づかなかった」と言い、被害者は「もう終わったこと」と口を閉ざす。だがその瞬間を至近で目撃していた市民は、事故の扱いに今も納得できていない。「なぜあれが轢き逃げにならないのか」──。(画像は、北方ジャーナル1月号の表紙)

 道警不祥事問題では、現職警察官によるストーカー・わいせつ未遂事件の続報に注目だ。渡島管内に住む30代の女性が被害に遭った事件は函館地裁で審理が終わり、論告公判の法廷で被害女性の陳述が読み上げられた。癒えない傷を訴える声を受け、被告人の元警察官は改めて頭を下げたが、検察は「極めて悪質で結果は重大」と、懲役2年6カ月を求刑。2020年後半は深刻な不祥事が続く下半期となっている。

 道民の関心が高い寿都と神恵内による「核のゴミ・文献調査応募問題」では、今月も3本のコンテンツでフォロー。文献調査をめぐる寿都町の住民運動と周辺自治体の動きをルポライター・滝川康治氏が先月に引き続き取材したほか、編集部では高知県東洋町の元町長・澤山保太郎氏に取材。かつて同町の文献調査応募を撤回させた男が来道し“反対行脚”を続けている。これらに加え特別寄稿として北大名誉教授・常田益代氏による「道民として核のゴミを考えよう」の後編も掲載。道内の各層で広がる“応募撤回のうねり”を読者にお届けする。

 本誌の定番である「ひきこもりシリーズ」もオススメだ。今月は先月に引き続き当事者の声を社会に発信する活動で知られる、ぼそっと池井多さんが札幌で行なった講演を紹介。子供の頃に受けた精神的虐待から「ガチこもり」になったという池井多さんは、支援者の自己満足の危険性に言及。過去を見つめてこそ未来は拓くとエールを送っている。

 このほか北大総長を解任された名和豊春氏が同大と国を相手取り処分取消を求めて札幌地裁に提訴したことやSTVの優生保護法報道にBPOが「問題ない」と結論づけた件、借地をゴミの山にして逃げた札幌のリサイクル業者の問題など注目記事が目白押し。本誌でしか読めない道内の事件、話題が詰まった北方ジャーナル1月号のお買い求めは、離島にいる方も都会に住んでいる方もお近くのセイコーマートへ。大手書店、アマゾンでも購入可能。北方ジャーナルへの問い合わせや注文などは、右側下方にある同誌のバナーをクリック。

※1月号主要コンテンツ
【報道】
■「なぜ“物損”に…」現職の美唄市議が起こした交通事故、地元警察の対応に不信の声
■道警不祥事から考える(47)──函館発 ストーカー警官に求刑2年6カ月
■首相批判封殺の波紋(13)──裁判所「付審判」棄却で野次排除にお墨付き
■核のゴミ──寿都と神恵内に「ノー」の包囲網。周辺町村議会で「拒否条例」制定の動き
■核のゴミ──高知県・元東洋町長の澤山保太郎氏が道内で“反対行脚”
■核のゴミ──特別寄稿②「道民として核のゴミを考えよう」北大名誉教授・常田益代

【ニュース】
■STV優生法報道に「問題ない」不適切取材疑いにBPOが結論
■刑務官・受刑者累計9人が陽性、月形刑務所で国内初クラスター
■銃不使用の地区でクマ出没続く。親子3頭とニアミスの目撃談も
■「今こそ“現場の健康”に関心を」看護師過労自殺訴訟で弁論続く
■法廷闘争に入る北大総長解任事件、名和豊春氏が処分取消訴訟を提起
■借りた土地をゴミの山にして逃げた札幌のリサイクル業者

【コロナ危機克服の処方箋を各界に訊く】
●鈴木直道・北海道知事「“ポストコロナ時代”を見据え、ピンチをチャンスに」
●秋元克広・札幌市長「コロナ対応に奔走する中で見えてきた、さっぽろの強み」
●野口秀夫・野口観光社長「戦争のようなコロナ禍で先を読み、従業員を守る」
●小野寺哲也・サッポロビール北海道本社代表「新しいつながりの場を創出」
●迫田敏高・北海道二十一世紀総研社長「北海道は次世代地域モデルの先頭に」
●小磯修二・地域研究工房代表「一極集中の弊害が露呈した今こそ辺境の優位性を」

【原発】
■噴火湾沿岸キャラバンメンバーが青森の核関連施設を視察

【医療】
●元生会の森山病院がJR旭川駅の北彩都地区に新築移転オープン

【エンタメ】
●第7回新千歳空港国際アニメフェス「リアルとリモートを融合した国際映画祭の新スタイル

【長期連載】
●ルポ「ひきこもり」(64)──「ぼそっと池井多」さんの講演から【2】危険な“支援の自己満足”
●戦争遺産をめぐる旅(66)──千葉県にあった地下航空要塞「館山海軍航空隊赤山地下壕跡」


2人の方がこの記事に「いいんでない!」と言っています。