「北方ジャーナル」2021年7月号が本日14日、店頭に並んだ。今月のトップは、前号で報告した元警察官による強制わいせつ事件の続報。続報といっても内容はスクープ級。何しろ、被告人本人が名前・顔出しOKで記者のインタビューに応じ、90分あまりも語ったドキュメントだから読まない手はない。自宅近くの小学校で続けていた独自のスクールガード活動で地域に知られる容疑者は6月上旬、地元検察によって起訴された。その後に記者の直撃取材に応じた被告は犯行を全面的に認め、およそ1時間半にわたって弁明を重ねることになる。60歳下の少女に長く消えない傷を残したわいせつ犯は、事件を振り返って何を語ったのか――。(画像は、北方ジャーナル7月号の表紙)
先月号で報じた旭川の社会福祉法人かがやき(岩崎正則理事長)に監督官庁のメスが入った。6月7日午前、旭川市が同法人に対して抜き打ちの特別監査に踏み切ったことが明らかとなり、関係者に衝撃が走っている。この中で本号では「かがやき」に介護事業を譲渡した側の問題にスポットを当てる。地元建設会社菅原組のトップが運営していた事業の社福への譲渡は、いったい何のためだったのか。
他のメディアの追随を許さないシリーズ「道警不祥事から考える」では、「剣士の“余罪”」と題し、酒気帯び当て逃げポリスの余罪を紹介する。酒気帯び運転で事故を起こし、現場から逃走したのは、現職警察官。剣道の腕を買われて北海道警察に職を得た彼は6月上旬、若くして懲戒免職で職場を去ったが、実は警察が伏せていた「もうひとつの不祥事」を犯していた。
注目してほしい緊急寄稿「いま、ウイグルの声に耳を──」が今月から掲載開始だ。香港での民主派弾圧が国際社会から非難を受けている中国だが、さらに深刻なのが新疆ウイグル自治区にけるジェノサイド、ウイグルの人々に対する民族虐殺問題。今年になってからアメリカをはじめとする欧米諸国が近年における中国の強制収容所政策を「人類に対する犯罪」と公式に表明したが、この問題に我が国は及び腰と言わざるを得ない。94年に訪日し、現在人権活動家として知られる日本ウイグル連盟会長、トゥール・ムハメット氏が「中国による民族抹殺の実態」を告発する。
このほか5月下旬に紋別沖で起きた漁船衝突転覆事故を独自取材した「ロシア船の“目隠し航海”が原因か」と題したニュース、教員による学生へのとんでもないパワハラが明るみになった道立江差高等看護学院に関する調査報道第3弾もオススメ。さらに環境の女神を選ぶミスコン「ミス・アース」の取り組みやススキノ若手経営者の奮闘ドキュメントも面白い。本誌でしか読めない道内の事件、話題が詰まった北方ジャーナル7月号のお買い求めは、離島にいる方も都会に住んでいる方もお近くのセイコーマートへ。大手書店、アマゾンでも購入可能。北方ジャーナルへの問い合わせや注文などは、右側下方にある同誌のバナーをクリック。
※7月号主要コンテンツ
【報道】
■被害者と60歳差のわいせつ犯、起訴直後の弁明“独立系スクールガード”の元警官、激白90分
■「社会福祉法人かがやき」に丸投げされた介護事業の行方【2】特別監査に踏み切った旭川市
■告発・絶望の学府〈3〉江差看護問題で第三者委発足、パワハラ被害は道内他校でも
■道警不祥事から考える〈51〉酒気帯び・当て逃げで懲戒免。元巡査長に未発表の人身事故
■再生可能エネルギーを問い直す〈4〉─双日の風力発電計画で小樽市長が道に意見書提出
■JR札幌駅前の野外彫刻「牧歌」撤去に住民団体が苦言─築いてきた官民連携に突然の冷や水
■“核のゴミ”レポートPART21─原発の後始末問題をめぐる市民講座、自由学校「遊」の取り組みから
【緊急寄稿】
■トゥール・ムハメット(日本ウイグル連盟会長)「いま、ウイグルの声に耳を。中国による民族虐殺の実態とは」
【ニュース】
■紋別沖合で起きた漁船転覆事故はロシア船の“目隠し航海”が原因か
■「原発復旧で被曝」地裁は認めず作業員の労災・損賠ともに棄却
■看護師遺族訴訟、尋問へ秒読み。パワハラ・過労死で争い大詰め
■コロナ後を見越しシェアを先取り?本州勢の外食店が北海道へ積極進出
■コロナと闘う空間除菌業界に新展開、事業に理解示す国会議員連盟が発足
【フォトレポート】
●「ミス・アース・ジャパン北海道大会」コロナ禍を乗り越え6月27日、開催へ
【経済】
■路地裏から見える札幌経済─コロナで変わる街の顔。札幌駅前通は「時代の写し絵」
■コロナ禍の事業継続に貢献するエコミックのアウトソーシング
■夏のボーナス特集─コロナ禍で高まる資産形成の機運
【すすきの】
●奇跡の競合他社連携を構築した「すすきのえーる」誕生の軌跡。奮闘する若手経営者集団
【医療・福祉】
●森山病院に着任した元旭川医大准教授・安栄良悟医師に訊く「グループの脳神経外科を底上げ」
【長期連載】
●ルポ「ひきこもり」(70)─息子のための生命保険で起きたトラブル。終身保険を養老保険と勘違い
●戦争遺産をめぐる旅(71)─戦争とエネルギー政策に翻弄された長崎の軍艦島