「北方ジャーナル」2021年5月号が本日15日、店頭に並んだ。今月のトップは、いま教員による学生へのとんでもないパワハラがクローズアップされつつある道立江差高等看護学院に関する調査報道第一弾だ。年度明けと前後して拡がり始めた告発の声は、ようやく行政の重い腰を上げさせつつある。だが、これまで多くの若者たちが強いられた理不尽はあまりに大きく、摘まれた芽はあまりに多かった。人の命を救う医療職にあって、道南・江差町の看護教員のみはその埒外に置かれているらしい。前途ある若者に「教える価値がない」と暴言を吐き、絶望した学生の間では留年や休学、中退が続出。未来の人材を預かる筈の学舎は、若者たちをどこに導こうとしていたのか。道南の看護学校で行なわれてきた“学生潰し”の実態を暴く。(画像は、北方ジャーナル5月号の表紙)

 本誌が報じてきた深川市立病院の“内部告発者潰し”問題では、驚きの新展開をお伝えする。舞台は3月8日に開かれた同市の第一回市議会定例会。この日、一般質問で北名照美市議が明かしたのは、野球観戦チケットの席決めについて出入り業者と診療放射線科幹部が院内で交わしていた生々しい録音データの存在だった。本誌はこの録音データを入手。記事では双方のやりとりの一部始終を公開する。市側が否定する業者による観戦チケット提供は本当になかったのか。

 出来レース疑惑の内部調査を名目に、ここ半年ほど塩漬け状態になっていた北海道大学の敷地内薬局誘致問題でも大きな動きがあった。これまで運営事業候補者としていたメディカルシステムネットワークの子会社、なの花北海道に加えアインホールディングスを追加選定した北大だが、この決定には不可解な点が多いうえ大きな危うさも孕んでいる。今回の“変心”はなぜ起きたのか。そして、この降って湧いたような追加選定の背景にあるのはいったい何なのか。苦し紛れか、問題隠しか、それとも──。

 このほか全国で一斉提起された「結婚の自由をすべての人に」訴訟で、札幌地裁が同性婚を認めない現行法を憲法違反と明言した判決レポートや道内で新設構想が目白押しになっている風力発電事業を環境と健康の観点から検証する「再生可能エネルギーを問い直す」もオススメ。コロナ対策関連では、次亜塩素酸水による大規模牧場での感染対策を追ったビジネスレポートにも注目してもらいたい。本誌でしか読めない道内の事件、話題が詰まった北方ジャーナル5月号のお買い求めは、離島にいる方も都会に住んでいる方もお近くのセイコーマートへ。大手書店、アマゾンでも購入可能。北方ジャーナルへの問い合わせや注文などは、右側下方にある同誌のバナーをクリック。

※5月号主要コンテンツ
【報道】
■告発・絶望の学府「教える価値がない」行く道は留年、休学、中退…道南の看護校で“学生潰し”か
■深川市立病院の“内部告発者潰し”問題で新展開―─診療放射線科幹部と業者がチケットの席決めを打合せ
■北大敷地内薬局公募の怪 “出来レース疑惑”を追う〈3〉──北大が運営事業候補にアインHDを追加選定
■再生可能エネルギーを問い直す〈2〉──置き去りにされる健康被害 毛無山の風力発電計画にも危惧の声
■“核のゴミ”レポートPART19・幌延深地層研究センターで新たに「500m掘削計画」を実施へ
■性的少数者に法の下の平等を〈4〉──札幌地裁・国内初の違憲判断、提訴2年“結婚の自由”へ一歩
■「最低限度の生活」とは―札幌「人間裁判」請求棄却、保護費の減額に合憲判断
■首相批判封殺の波紋〈16〉──野次排除「付審判」また棄却、警察官らの行為「許容し得る」

【ニュース】
■冤罪被害者が警官らを刑事告訴、拾った紙幣「盗んだ」と自白強要
■高知県で核のゴミ問題に直面した橋本大二郎元知事が札幌で講演会
■コロナ禍真っ只中の昨年4月~9月、観光入込客数は半減の4851万人
■PKO違憲訴訟、今秋にも尋問。原告側が元自衛官ら証人申請へ
■令和2年の道産農畜産物・輸出額が過去最高更新する55億4千万円に
■「4丁目プラザ」耐震不足で閉館へコロナ禍で解体後の青写真描けず

【経済】
■北洋銀行の会長を退任した石井純二氏に訊く「変化を自分の味方にして北海道の可能性の追求を」
■コープさっぽろが葬祭事業のプラットフォームを構築へ 家族葬などのWEB対応を整備

【ウイルス対策最前線】
●ESIとノベルズグループが感染対策でコラボ 大規模牧場と次亜塩素酸水の先駆者が拓くコロナ対策
●緊急寄稿④──越智文雄氏「いま、対策の不作為を正せ オリンピックイヤーを希望の年に」

【医療】
●時計台記念病院に新規開設された泌尿器科の平川和志医師に訊く
●脳梗塞治療最前線 中村記念病院の血栓回収療法を上山憲司医師に訊く

【長期連載】
●ルポ「ひきこもり」(68)──支援活動の現場から/NPO「楽しいモグラクラブ」の取り組み
●戦争遺産をめぐる旅(69)──沖縄戦で約5千人が犠牲になった小さな大激戦地、国頭郡の伊江島



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