「北方ジャーナル」2021年2月号が本日15日、店頭に並んだ。今月のトップは本誌独占レポート「“内部告発者潰し”に揺れる深川市立病院」だ。深川市立病院(藤澤真院長・203床)の出入り業者と診療放射線科幹部との癒着を院内で指摘したベテラン技師が昨年9月、突然訓告処分を受け事務部門への異動を言い渡された。このベテラン技師が指摘した業者と診療放射線科との癒着とは。 そして、なぜ彼は“排除”の憂き目にあったのか。この問題は暮れの市議会定例会でも取り上げられ、市側の曖昧答弁をめぐって審議が紛糾。広く市民に関心を呼ぶテーマになっている。北空知の医療を担う重要拠点でいったい何が起きているのだろうか──。(画像は、北方ジャーナル2月号の表紙)

 世間を騒がす吉川貴盛元農水相収賄疑惑を追った「カネで阻まれた家畜福祉」にも注目。北海道2区選出の自民党衆院議員だった同氏が養鶏業界大手「アキタフーズ」(広島県福山市)の前代表から現金1800万円を受領していた疑惑をめぐり大きな波紋が広がっている。前代表が農水族に多額の裏金を渡していたのはOIE(国際獣疫事務局)が進めるアニマルウェルフェア(AW・家畜福祉)の国際基準づくりを阻もうとした可能性が高い。業界の意向を受けた農林水産省が基準の策定に異議を唱えた結果、日本のAW推進にブレーキがかかったとなれば由々しき事態だ。「脱ケージ」に舵を切った世界の潮流に逆光する日本政府のAW政策はこれでいいのか──本稿では贈収賄疑惑の背景にある採卵鶏のアニマルウェルフェア問題に焦点をあてる。

 本誌で報告を始めて足かけ3年になる首相演説野次排除事件の続報では、排除の現場を目の当たりにした複数の市民が新たな証言を買って出たことをお伝えする。当事者の裁判提起を知って協力を申し出たのは、札幌市内の男女3人。証言は昨年11月までに陳述書にまとめられ、札幌で続く国賠訴訟の原告側証拠として提出された。警察が主張する「トラブル防止」なる排除理由を、目撃者たちはどう評価するのか。彼らに曰く「危険なのは警察だった」

 このほか19年春の選挙で空知・砂川市議に当選した現職議員に昨年暮れ、裁判所が「無効」判定を突きつけた事件も詳報。判決は同市内に市議の居住実態がなかったことを指摘したが、先立つ選挙管理員会の審査では2度にわたって正反対の結論に到っている。当事者の市議は上訴を申し立て、争いはさらにもつれ込むことに。市議選の投開票から2年弱、異例の争いは長期化の様相を呈している。

 さらには現下の状況を踏まえ特集を組んだ「ウイルス対策最前線」もオススメだ。ウィズコロナが続くのであれば、それに対抗する措置を講じるまでのこと。今回の特集では、各分野のコロナ対策に役立つ製品や技術を紹介。空間除菌に関する緊急寄稿も併録した。このほかふるさと納税でトップを走り、素早いコロナ対応でも賞賛を浴びた根室の石垣雅敏市長へのインタビューなど注目記事が目白押し。本誌でしか読めない道内の事件、話題が詰まった北方ジャーナル2月号のお買い求めは、離島にいる方も都会に住んでいる方もお近くのセイコーマートへ。大手書店、アマゾンでも購入可能。北方ジャーナルへの問い合わせや注文などは、右側下方にある同誌のバナーをクリック。

※2月号主要コンテンツ
【報道】
■“内部告発者潰し”に揺れる深川市立病院。業者との癒着を指摘した技師を事務部へ強制異動
■吉川元農水相収賄疑惑の背景を探る。カネで阻まれた家畜福祉、世界で孤立する日本の養鶏業界
■首相批判封殺の波紋(14)──「危険なのは警察だった」新たに3人の証言集まる
■道警不祥事から考える(48)──交通違反捏造の背景に杜撰管理、組織の姿勢問われぬ構図
■地方議員に異例の「当選無効」―裁判所「無効」に当事者は上訴、現職砂川市議「生活の拠点」は
■核のゴミ──寿都発「脱・肌感覚リコールの会」共同代表の吉野寿彦氏に訊く「馴れ合い議会は解散を」
■核のゴミ──「全後志・脱原発グループ」が寿都町などで街宣活動「未来と郷土を守れ」

【ニュース】
■札幌市が“車中泊”の実態調査へ、路上支援団体の提案で初の試み
■チャイナマネーによる転売の果てに市の顔“夕張リゾート”がコロナ破綻
■ふるさと納税で道東3市町が大人気。厳しい地域経済に差す“一筋の光明”
■破綻した中川町のエゾシカ加工事業、債権者説明会で真相究明を求める声

【道東・根室特集】
●石垣雅敏市長に訊く──「最速、市民目線のコロナ対応。不振の水産は沿岸漁業に活路」
●元島民が語る北方領土への思い──「コロナ禍で中断した交流事業を何としても復活へ」
●大地みらい信用金庫・遠藤修一理事長に訊く──「地域の苦境で伴走型支援を強化」

【特集 ウイルス対策最前線】
●株式会社アクアフォース「抗ウイルス施工・安心空間を創出する無光触媒エコキメラ」
●株式会社あかりみらい「空間除菌・次亜塩素酸水の空間噴霧をコロナ対策の切札に」
●有限会社グッドマン「換気対策・ゼロエネルギーで空気を入れ替え」
●飛栄建設株式会社「診察用テント・北大と共同開発した簡易クリーンルーム」
●緊急寄稿──越智文雄氏「感染対策の不都合な真実。コロナ禍克服に空間除菌を」

【医療】
●札幌心臓血管クリニックが厚別・新札幌にサテライトを開設へ

【企業】
●ISHIYAグループ、コロナ禍とかく闘えり「苦境の只中でも北海道ブランドを背負う底力」

【長期連載】
●ルポ「ひきこもり」(65)──50代男性・就労経験のケースから「自信喪失から自分回復への道へ」


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