北海道の月刊誌「北方ジャーナル」2020年8月号が本日15日、店頭に並んだ。今月のトップは、感染防止対策の徹底を前提に歓楽街の事業者を支援する全国初の試み、いわゆる「ススキノ助成金」の行方をめぐるレポートだ。札幌市から事業委託を受けたすすきの観光協会(本部札幌・大島昌充会長)が、助成先を同協会など9団体に限定したことに異論が続出。大きな痛手を受けた地域にとって干天の慈雨になるはずだった公金支出は一転、業界を分断する火種になりかねない様相だ──。(画像は、北方ジャーナル8月号の表紙)

 テレビでも報じられたヒグマ駆除をめぐる銃所持許可取り消し問題。砂川市を舞台にしたこの事件の続報にも注目だ。銃を取り上げられたハンターは公安委員会を相手に訴訟を提起。初弁論の意見陳述で「国民の生命を守るべき警察が対策を我われに丸投げした挙句、犯罪者に仕立て上げた」と処分の取り消しを求めた。クマの目撃が相継ぐ地元では「誰も引き金を引けない」異常な状態が続いている。このほか豊浦町のバイオガス事業の現状を追ったレポートもオススメ。循環型地域の形成を目指し、高岡地区で昨年4月から運転を開始した豚ふん尿ベースのバイオガス発電プラントが初年度から赤字を計上。副産物の液状肥料、消化液の引き受け先が広がらないこともあって前途多難な様相を見せている。鳴り物入りで始められたこの事業のどこに死角があったのか。

 事件が起きた昨年夏以来、本誌が継続的に報じている「首相演説野次排除問題」。警察が一般市民を拘束し、為政者への批判を封じる──。それらを物語る写真や映像が掘り起こされても、現場の警察官は誰一人として処罰されず懲戒処分を受けないのはなぜなのか。表現の自由を奪われた当事者たちの闘いは、なお続いている。さらには元会員が「途方もない規模」と証言するマルチ被害報告の続報も見逃せない。仮想通貨のマルチ商法をめぐる疑惑で渦中の販売会社の元代表が代理人を通じて取材に応じ、会員勧誘に首相との関係を利用した疑いなどを否定している。このほか道内全信金の決算レポート、北海道を代表するコンビニ・セコマの赤尾洋昭新社長インタビューなどもオススメ。本誌でしか読めない道内の事件、話題が詰まった北方ジャーナル8月号のお買い求めは、離島にいる方も都会に住んでいる方もお近くのセイコーマートへ。大手書店、アマゾンでも購入可能。北方ジャーナルへの問い合わせや注文などは、右側下方にある同誌のバナーをクリック。

※8月号主要コンテンツ
【報道】
■歓楽街の感染防止を目指す「ススキノ助成金」の行方。すすきの観光協会による「9団体優先」に異論続出
■首相批判封殺の波紋⑩闘い、なお終わらず―警官不起訴に当事者が異議。排除にSP動員、国賠で判明
■狩人、銃を奪われる ②「丸投げの挙句、犯罪者に」地元ではクマ出没も「撃てない」
■迷走する豊浦町のバイオガス発電事業―1年目で限界が見えた処理能力、二酸化炭素削減は目標に届かず
■「桜」の蔭に②「安倍さんは謝るべき」仮想通貨被害「途方もない」渦中の元代表は指摘に反論
■札幌・平岸 不動産店爆発事件⑥アパマン元店長に禁錮求刑、尋問では法人の責任問わず

【ニュース】
■国際大が大月隆寛氏を懲戒解雇、留学生めぐる問題で「名誉棄損」
■娘の奪還に生涯をかけた横田滋さん。その足跡を新潟日報パネル展で辿る
■コロナショックで注目度増す「北見テレワーク」の先進性
■かつてない国難の渦中に「経営未来塾」第5期がスタート
■豊浦町の空き家バンクで紹介された土地に埋まる巨大コルゲート管

【新型コロナ】
●流行再燃の危険性を元小樽市保健所長・外岡立人医師に訊く
●「現金書留で届いた10万円」獄中報告 “コロナ後”の日々(続)。
●「会葬者を呼べない!」“お葬式”も破壊したコロナ禍

【原発】
■脱原子力に背を向け“泊の延命”を画策する北海道電力
■原発事故被災地と大間原発を歩く(後篇)

【医療】
●坂泌尿器科北広島クリニックの池田龍介院長に訊く〝患者貢献〟

【企業】
●「道産素材の商品を積極開発」コンビニ・セコマの赤尾洋昭新社長に訊く

【長期連載】
●ルポ 「ひきこもり」(59)──コロナ禍の中で活動を再開した支援組織の現場
●“農と食”北の大地から(186)──「㈲当麻グリーンライフ」の歩みをたどる(前編)
●戦争遺産をめぐる旅(61)──特攻要員の養成も行なわれた福島県の「矢吹



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