学校法人酪農学園(江別市)とイオン北海道(本社・札幌市白石区)は、「イオン江別店」(江別市)で発生する食品廃棄物の再利用を、共同で進めることを柱とした包括連携協定を2023年10月17日に締結した。食品廃棄物を、家畜用飼料やバイオガス原料、堆肥などに再利用するための技術開発を共同で進めるもので、酪農学園大学の学生たちが肥育した牛や豚の肉など6次化商品を「イオン江別店」で販売する取り組みも強化する。(写真は、酪農学園とイオン北海道の包括連携協定締結式。左から酪農学園・髙島英也理事長、イオン北海道・青栁英樹社長)
酪農学園大学とイオン北海道は、2021年4月の「イオン江別店」リニューアルをきっかけに、学生たちが飼育した牛や豚の肉を販売する取り組みを進めてきた。また、2023年5月には、北海道コカ・コーラボトリング(本社・札幌市清田区)と同大学が共同で進めてきた、「エコフィード(食品残渣、調理残渣などを利用した家畜用飼料)利用による肉牛肥育」プロジェクトで育てた肉牛の店頭販売を「イオン江別店」など5店舗で実施してきた。
こうした連携をベースにこのほど、「イオン江別店」で発生する食品廃棄物を再利用する共同研究を柱に、6次化商品の共同開発やインターンシップなど学生との交流、地域課題の解決をうたった包括連携協定を締結した。
具体的には、大学側の要望によって「イオン江別店」から1回につき5kgから10kgの食品廃棄物を無償提供、大学はエコフィードへの利用やメタン発酵によるバイオガス製造への利用、さらに堆肥への利用を進める。それぞれの用途向けに、最適な食品廃棄物の分類はイオン江別店で行い、大学は食品廃棄物の種類による処理技術の研究などを行うほか、ラボベースのバイオガスプラントで発電の効率化を検証していく。
この日、酪農学園大学研修館2階で協定の調印式が行われた。イオン北海道の青栁英樹社長は、「食品に携わっている私たちにとって、食品廃棄物を利用した循環が進んでいくことは大変うれしい。また、店頭で大学が育てた牛や豚の6次化商品を売ることは、学生にとっても大切な学びになるだろう」と期待感を示した。
酪農学園の髙島英也理事長は、「今回の取り組みによって、食品廃棄物を地域で循環利用するモデルケースが構築できればと思う。学生にとっても大きな学びが期待できるうえ、将来的にビジネスに繋げられればと考えている」と話した。