旭医大が古川病院長を解任、吉田学長の不適切発言を「外部に漏らした」

道内大学・教育

 旭川医科大学(吉田晃敏学長)が、同大学病院の古川博之院長を25日付で解任した。同日午後5時半から職員を対象にした説明会が学内で開かれ、明らかになった。解任の理由は「職務上の義務違反」。いったい何があったのか。(写真は、昨年1月28日、旭川医大の2人の教授の不祥事に対する懲戒処分を発表する吉田晃敏学長=中央、右が古川博之病院長)

 昨年11月下旬、新型コロナウイルス感染症によるクラスターが発生していた旭川市内の慶友会吉田病院を、吉田学長が「(吉田病院が)完全になくなるしかない」と学内の会議で発言したことが、週刊文春や新聞各紙等で報じられた。また同時期に、古川院長が大学病院にコロナ感染患者の入院を求めた際、吉田学長から「『受け入れてもいいが、その代わりお前が辞めろ』と言われたため断念した」と明らかにしていたことも報じられた。
 今回の解任は、同大学役員会(吉田学長以下5人の理事)で決定された。古川院長が吉田学長の会議での発言を録音し、外部に漏洩したと断定、「職務上の義務違反」に当たるとした。

「なくなるしかない」の発言が報じられると、吉田学長は「外部に漏れたこと自体問題」と〝犯人捜し〟に躍起となっていたとの話が伝わった。古川院長は否定したものの、コロナ感染患者の受け入れについての発言が、吉田学長の逆鱗に触れたのは確かだ。
 吉田学長は同大卒の初めての学長として2007年に就任。以来14年の長期政権。それまでは、学長の任期は最長2期6年(2期目は2年)と定められていたが、吉田学長になってから「再選を妨げない」規定になり、現在にいたっている。
 これだけ長期間、学長を務めるのは全国的に珍しい。「批判が出るような不適切な発言は、長期政権の傲慢さそのもの。近年、吉田学長の独断専行が横行し、『反対などまったくできない雰囲気』という声が学内から聞こえてくる」と同大卒の医師は話す。

 確かに長期政権の弊害と思われる不祥事が目立っている。昨年、麻酔科の教授が道内の複数の医療機関から医師派遣に関わり約1億9000万円の不正な金を受け取っていたとして懲戒解雇され、内科の教授も約2000万円の講演料を受け取っていたとして停職処分を受けた。前出の医師は「これは氷山の一角。吉田学長も含めて、お金の噂は絶えない」と言う。

 学外では、同大皮膚科講座の初代助教授で、現在民間病院に勤務している医師が代表となり、『吉田晃敏旭川医科大学学長のリコールを求める全国有志の会』をインターネット上に立ち上げて、署名運動を始めている。この中で、この医師は《吉田学長の下では旭川医科大学および旭川医科大学病院の再生は望むべくもなく、衰退の一途をたどるのみです。この窮状を打破し、旭川医科大学を健全な状態に立て直すには、吉田学長をリコールし、新たな学長を迎え入れる事でしか成し遂げられないと強く感じております》と署名を訴えている。

 現在のところ、学内に吉田学長の発言に対し、表立って批判的な動きは見られないが、古川院長が解任されたことで、どのような動きが出てくるか。

 旭川市内のコロナの感染状況は、以前と比べると落ち着きつつあるが、最近になって10例目のクラスターが発生するなど、まだ予断を許さない状況だ。旭川医科大病院は重症のコロナ患者を受け入れている市内5基幹病院の中心的存在。古川院長の解任に対し、他の基幹病院からは疑問と批判の声が聞こえてくる。

 コロナ禍で、吉田学長のワンマンぶりが白日の下に晒された。吉田学長の『受け入れてもいいが、その代わりお前が辞めろ』という発言はパワハラの疑いありとして文部科学省が調査している。その間隙を突くような解任劇が、旭川市内ばかりか、道北の医療機関に及ぼす影響は大きい。

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