元道教育長吉田洋一氏が立ち上げた「北海道師範塾」、毎日更新『塾頭通信』300回突破で記念冊子『牛の歩み 参』刊行

道内大学・教育

 学校現場で日々子どもたちと向き合っている教師たちの思いや悩みを共に語り共に学ぼうというネットワーク組織「北海道師範塾」の塾頭、吉田洋一氏(元道教育長)が同塾のホームページに毎日配信している「塾頭通信」が通算300回を超えた。同塾では、201回目から300回までをまとめた記念冊子「牛の歩み 参」を発行、塾生や関係者に配布している。(写真は、300号記念冊子『牛の歩み 参』を持つ吉田洋一塾頭)
 
「北海道師範塾~教師の道~」は、吉田氏や教育関係者らが一昨年11月に設立した団体。現役の教師や校長、教師を目指す学生が塾生として参加、教師養成講座や研究会を定期的に開催している。
 
 吉田氏は道教育長を務めていたころ、北海道教職員組合(北教組)との『四六協定』を破棄するなど教育行政の改革を断行してきた。自立した教師の理想を追求する思いは強く、道を退職後は北海道社会福祉事業団理事長に就任、その傍ら教育関係者らと吉田氏の思いを伝え実践していく場として北海道師範塾を立ち上げた。
 
「塾頭通信」は、昨年2月20日から吉田氏が書き始めたもので、同塾のホームページで毎日更新されている。これまで100号記念、200号記念として冊子を作成してきたが、5月2日付で300号を達成したことから「牛の歩み 参」(A4判140頁)として冊子にまとめた。
 
 社会情勢や教育情勢、人間の生き方まで幅広いテーマを扱っており今回まとめた冊子の中には、「大学入試センター試験」や「繰り返される孤独死」、「開かれた教育行政とは」、「首長の責任・議会の責任」などのテーマで1200字程度の文章が100話綴られている。
 
 吉田氏は、「塾頭通信を始めるまでは、様々な事件や問題が頭の中を通り過ぎるだけだったが、毎日書くようになってから社会の出来事が網に引っ掛かり問題意識が自分の中でも鮮明になってきた。いつも悩むのは最後の3行。自分の思いを凝縮する部分だが、共感する人がいたり反感を持つ人もいる。だからいつも覚悟を持って書いています」と言う。
 
 冊子のタイトルである「牛の歩み」は、吉田氏の座右の銘。新渡戸稲造の一日一言の著書にある一節《怠らず行かば千里の外も見ん 牛の歩みはよしおそくとも》から取ったもの。
「400号、500号と続けていきたいですね」と吉田氏は語っている。

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