国立大学法人北海道大学の総長選考会議(議長・石山喬日軽金ホールディングス元会長)は2日、宝金清博氏(65、北大大学院保健科学研究院特任教授)を次期総長予定者に決めた。文部科学大臣の任命を受けて正式決定、任期は2026年3月31日まで。(写真は、北大病院長の時代に講演する宝金清博氏)
名和豊春前総長の6月30日付での文科省による解任決定を受けて行われた総長選は、宝金氏、笠原正典氏(北大理事・副学長=総長代行)、横田篤(北大大学院農学研究院教授)の3人が候補者になり、意向聴取投票者(講師以上の教員、課長補佐以上の職員)を対象にした公開質疑を経て28日に意向聴取投票を実施。投票総数1203票のうち有効投票は1177票で、宝金氏473票、横田氏369票、笠原氏335票という結果だった。
9月1日に総長選考会議による候補者ヒアリングが行われ、2日に同会議は合議を行ったが、総長予定者を決定することができなかった。このため、同会議規定第10条第1項ただし書きの規定に基づき投票を行い、過半数の票を得た宝金氏を総長予定者とした。同会議委員10人による投票結果は、宝金氏6票、笠原氏2票、2票だった。
選考理由として同会議は、「これまでの業績、公開質疑における所見陳述及び質疑応答並びに選考会議によるヒアリングを踏まえ、また、意向聴取投票の結果を参考に宝金氏が、本学の総長選考基準である『望まれる総長像』に合致している人物であると判断した。
特に構成員とのコミュニケーション能力に長け、強いリーダーシップを備え、かつ、経営面での実効性のある施策を提案する能力に優れており、様々な社会とのネットワークを構築してきた実績があることから、本学を持続的に発展させることができる総合マネジメント能力を有しているものであると判断し、総長予定者として決定した」としている。
宝金氏は、1954年9月、北海道出身。79年3月北大医学部卒業、2000年に北大脳神経外科助教授に就任。01年に札幌医科大学に転じて脳神経外科教授、06年には札医大附属病院副院長を務めた。その後10年3月に北大に戻り大学院医学研究科脳神経外科学分野教授、同年9月北大病院副病院長、13年4月から北大病院長、17年副学長。19年4月に北大を退官し社会医療法人社団カレスサッポロ時計台記念病院院長に就いたが、総長選出馬の意向を固め、同年9月に北大大学院保健科学研究院特任教授に就任していた。