札幌大学(札幌市豊平区)のロシア語担当の元特任教員の女性(45)が、違法に雇い止めされたとして札幌大を相手に地位確認などを求めていた札幌高裁の控訴審判決が24日あった。冨田一彦裁判長は「労働契約更新を期待する合理的理由がなく控訴人(元特任教員)の主張は採用できない」として控訴を棄却、一審の札幌地裁判決を支持した。また、女性が元副学長から受けたセクハラ・ストーカー被害を大学に相談したことが雇い止めに影響したとの主張は「無関係」と退けた。(写真は、札幌高裁の入っている札幌市中央区の裁判所)

 女性は、札大ロシア語学科を卒業し東京外国語大学修士課程を卒業。札大は2010年当時、卒業生から優秀な人材を採用して末永く働いてもらう目的を掲げて女性を採用した。その後、女性は特任教員として教職課程も担当、「特任教員が教職課程の担当になったことは過去になかったため、17年度以降も雇用継続への期待を持つ理由があった」と主張したほか、教授会への参加など特任教員の業務範囲を超えて各種会議への参加を課せられていたことも労働契約更新を期待させたなどと主張。

 大学は14年3月の契約更新時に「16年度末までの雇用の継続は確実だが、労働契約が1年ごとに更新される以上、2年後、3年後の雇用の継続を約束することはできない」と回答したことや教授会への参加はオブザーバーとしてのものであり、会議等への出席も義務付けられていなかったと主張。

 冨田裁判長は、女性の主張に「雇用契約更新に係る期待の合理性との関連性は認められないため控訴人の請求は理由がない」と一審判決を支持した。

 女性は10年12月から15年7月までの4年半にわたって元副学長からセクハラを受け、学内の苦情相談員に被害を申し立て、大学側は副学長の研究室を移動させた。このセクハラ被害については大学側も記録を残している。女性はセクハラ・ストーカー被害を大学に申し立てたことに対する報復措置として雇い止めを強行したとも主張したが、冨田裁判長は「無関係」と断じ、このことが雇い止めと関係するかの判断はしなかった。


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