札幌大学ロシア語専攻の有期雇用の特任准教授が、同大学から労働契約更新を期待させる合理的理由があったのに雇い止め(雇用契約終了)にされたとして2017年3月10日、同大学を札幌地方裁判所に訴えた「札大雇い止め訴訟」。その判決が13日、同地裁であった。武部知子裁判長は、原告の請求を「労働契約更新を期待する合理的な理由があったということはできない」と棄却した。原告側は、「この不当判決は、私と同じように不安定な有期雇用に苦しむ全国の非正規教職員・労働者の方々の希望を打ち砕く残酷で非人道的な判決」として控訴する方針。(写真は、札幌地裁)

 この特任准教授は2010年度から7年間、1年更新で継続的に雇用され、労働契約も5回更新してきた。大学側は14年2月に特任准教授ポストの雇用期間の上限をこれまでの5年から9年に延長する規定に改正。
 15年度の原告と大学側の契約更新時に、大学側は「17年度以降の雇用を保証できるものではない」としていた。しかし、18年4月の入学者募集案内に原告の名前が記載されたことや、理事が無期雇用の准教授に昇格できる可能性を示唆したことなど、契約更新を期待する合理的理由があったと主張。
 
 武部裁判長は判決で、「いずれも合理的理由となるものではない」と主張を退けた。その上で、「期間の定めのない教員としての雇用義務が大学側に生じる前の段階で、原告の雇用継続を打ち切ることは大学の採用の自由の範囲内に属する判断として尊重されるべき」とした。
 
 原告側は、合理的理由の基準が示されていないことや事実認定からカットされている原告側の主張もあるとして控訴する方針。札大雇い止め訴訟については、全国から6000人を超える署名が集まっており大学側と裁判所にそれぞれ提出されている。



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