コープさっぽろが健康診断事業で病院連携、釧根地区は孝仁会と包括連携協定

医療関係

 コープさっぽろ(本部・札幌市西区)は、組合員向け健康診断事業を2024年秋から始める。全道の拠点病院と個別に連携、健診率アップを図る。第1弾として2024年7月1日、釧根地区に本拠を置く、社会医療法人孝仁会と包括連携協定を締結した。(写真は、コープさっぽろ健診車の前で包括連携協定書を掲げる社会医療法人孝仁会・齋藤孝次理事長=左とコープさっぽろ・大見英明理事長)

 コープさっぽろは、2023年3月に医療連携事業部を発足させ、昨年12月に健診室を開設、2024年4月から内部職員向けに、巡回健診の自前化を始めた。北海道は、特定健診受診率が46・6%と全国最低で、健診車が巡回しない地域もあって、“健診過疎”とも言える状況が続いている。

 コープさっぽろは、自前の健診車と自前の医療スタッフで、こうした地域に巡回健診をすることで、地域に住む組合員の健診率アップを図ることにした。健診を通じて早期発見、早期治療に繋がれば、医療費、社会保障費の削減に繋がる。道庁、札幌市など関係部署の承認認可を受け、2024年秋頃から市町村とも連携して、健診事業を順次開始する。

 健診後の精密検査など、地域の拠点病院との連携は不可欠として、今回、釧根地区に基盤がある孝仁会と包括連携協定を締結した。健診で所見が発見された場合に、孝仁会グループの病院が対応するほか、巡回健診への医師、医療スタッフの派遣、コープさっぽろの施設を活用した医療、健康の講話・イベントの実施、災害緊急時の食糧支援物資の供給に関することなどが協定の中身。

 協定締結式でコープさっぽろの大見英明理事長は、「地方は健診の機会が少ない。コープさっぽろは、病院のない自治体にも出店しており、その店舗に健診車を走らせ、買い物のついでに受診できるようにする。内部職員向けと地域の組合員を対象にすれば一定の受診者数が見込め、健診事業の収支は合わせられ持続可能性がある」と話した。
 孝仁会の齋藤孝次理事長は、「医師会や市と協力して特定健診の受診率アップを進めているが、釧根地区は広くて健診機会が少なく、受診率が低い。コープさっぽろと組むことで、地域住民の健康増進に貢献できる」と語った。

 コープさっぽろは現在、健診車1台と医師、医療スタッフ12人の体制だが、今年度中に健診者1台(購入費約1億円)を増やし、以降は毎年3台、5年後には15台として医療スタッフも充実させる。今後、旭川や帯広、函館、札幌の各拠点病院とも同様の包括連携協定を締結、“健診過疎”の解消を進めていく。

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