旭川市長選への出馬が取り沙汰されていた前旭山動物園園長の小菅正夫氏(62)の不出馬が濃厚になって来た。当初は、9月1日に正式立起の表明が予定されていたものの関係者の調整がつかず延び延びになっているからだ。9月6日には、現市長の西川将人氏(41)が再選出馬を表明することになっており、小菅擁立は一段と難しくなってきた。


新人は現職よりも先に立起表明して有権者の関心を呼ぶことが、選挙戦へのスムースな導入になる。現職に挑戦するためには一歩先んじることが陣営を引き締めることにもつながり、現職の後塵を拝することは「追い込まれ出馬」と見られて有権者は挑戦者としての“粋”を嗅ぎ取れなくなってしまうからだ。
旭川市長選は、10月31日告示、11月7日に投開票されるが、再選を狙う民主党推薦の西川市長に自民党が待ったを掛けられるかどうかが焦点。
自民党を後ろ盾にして市民有志の草の根選挙で出馬が取り沙汰されているのが小菅氏。小菅氏は8月初めに早々と市長選への意欲を示し、新聞各紙も「出馬へ」という表記で小菅人気を盛り立てようとした。
小菅氏は8月初旬に意欲を示した後もNHKのテレビやラジオに出演。選挙とは関係ない話題でも、視聴者や聴取者は「これでは選挙の事前運動のように思える。やりすぎではないか」という受け止めが広がっていた。
小菅氏を擁立しようと動いていた市民有志は最初こそ足並みが揃っていたものの、ここに来て不協和音が広がっているという。元市長や元助役も小菅擁立のメンバーだったが、一部は有志グループから離反したとも言われる。
旭川市の報道関係者からは、「小菅出馬は九分九厘ないだろう」「出馬会見が不出馬会見になるだろう」と言った声が聞こえてくる。
衆院5区補選のすぐ後に行われる旭川市長選は、来春の知事選や統一地方選の流れを作る要の選挙と位置づけられる。小菅不出馬なら、自民党の不戦敗になりかねない。不出馬が濃厚とされる小菅氏が、当初方針通り出馬するためには文字通り不退転の決意が必要になるだろう。

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