札幌市の上田文雄市長は、子ども議会で円山動物園を効率的に回れるモデルルートマップを作ることを検討すると表明した。子ども議会の「Welcome to 円山Zoo委員会」の提案に答弁したもの。生島典明副市長も、「大人が気がつかないことを指摘していただき感謝したい」と答えた。(写真は、6日に開催された札幌市子ども議会)
 
 子ども議会の「Welcome to 円山Zoo委員会」(小5から高2までの15人)では、円山動物園に関するアンケートを実施。園内全てを回ったかどうかの調査では半数近くが回れなかったとし、その原因として時間がなかったという回答が大半を占めていることが分かった。
 
 このため、委員会では園内を楽しく効率的に回るルートマップの作成を提案、合わせて閉鎖された熱帯動物館の跡地にイベントを開催できる場所を確保して欲しいと提案した。
 
 これに対して上田市長は、「円山動物園は昨年開園60周年を終え今年は61年目になる。1月1日には私も動物園に行って動物から元気をもらってきた。動物園は広いので全部を見るのには時間がかかるが、飼育員はすべてを見て欲しいと思っているので、市としてはこれまでルートマップを作ってこなかった」と述べ、「情報を選んで来園者にモデルルートを提案するのは正しいかも知れない。工夫していきたい」と答弁した。
 
 熱帯動物館の跡地については、「全体の動物園リニューアルの検討の中で意見交換しながら決めたい」として具体案は示さなかった。
 
 また、生島市長は、「来園者の半数近くが園内を全て見ていないというアンケート結果に衝撃を受けた。1~2時間で楽しく回れる仕組みを考えたい」と述べた。
 
 円山動物園の入場者数は、平成22年度で83万2419人。前年度より9万人減少した。同23年度は4月からホッキョクグマの赤ちゃん公開やエゾヒグマ館の再オープン、爬虫類・両生類館のオープンなどもあったため増加する見通し。
 
 効率的なルートマップが作成されれば、時間的余裕が少ない来園者でも見どころを押さえた満足感が得られると期待される。
 
 今回の子ども議会では、いじめが起きにくい学校の仕組みや市民防災センターでの積雪時の災害等について3Dシアター上映内容を充実、動物や植物の外来種の現状を把握するためのイベント開催など提案も行われた。


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