9月11日に札幌市内で開催された「丘珠空港活性化シンポジウム」でフジドリームエアラインズ(FDA)の鈴木与平社長(鈴与社長)が来年夏に丘珠空港にジェット機のチャーター便を運航したい意向を示していたが、札幌市の上田文雄市長は「まず国交省、防衛省に話があるのではないか」と市としては歓迎しつつも積極的に動かない姿勢を明らかにした。25日の市議会で答弁した。(写真は、市議会で代表質問する川田匡桐市議)

 

 11日に有志らで作る丘珠研究会が主催した丘珠空港活性化シンポで、FDAの鈴木社長は、現在の丘珠空港の1500m滑走路でも夏の時期であればFDA機材なら離着陸できることを明らかにし、「来年夏にテスト飛行を兼ねたチャーター便を飛ばしたい」との意向を示していた。

 
 これを受けて、市議会自民党・市民会議の川田匡桐(ただひさ)市議が、上田市長に代表質問の一つとしてFDAチャーター便運航の意向に対する市長の考え方を聞いた。

 

 上田市長は、これに対し「丘珠空港に興味をもっていただいていることは歓迎したいしありがたい。ただ、チャーター便を飛ばすなら、まず国交省と空港を管轄する防衛省に話があるのではないか。仮にジェット機なら地域に対する安全性や騒音についてしっかり説明しなければならない」として、市としてはFDAの運航意向について積極的には動かない姿勢を示した。

 
 また、丘珠空港がヒースロー空港に対するロンドン・シティ空港のように新千歳空港のセカンダリー空港として発展できるポテンシャルを備えているかどうかについて、「ロンドン・シティ空港は世界的な金融・証券・保険のシティを後背に抱えている。こうした点を考慮しなければならない」と丘珠空港とロンドン・シティ空港を比較衡量することに対して否定的な考えを明らかにし、「丘珠空港は陸上自衛隊との共用であり、民間利用上の制約があることを配慮して考えなければならない」と従来の姿勢を崩さなかった。
 



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