札幌ドームの所有者である札幌市は、ドームの命名権売却先を再募集することになった。再募集の期間は2月7日から28日まで。「札幌ドーム」の名称を残すことが条件だが、果たして条件の合う応募者は出てくるのか。(写真は、札幌ドーム内部)
契約金額は年間5億円以上、契約期間は5年以上。
市は、今年1月11日から28日まで命名権売却先を一度募集した。応募はあったものの、市の希望と開きがあったため再募集することにした。
全国にドーム球場は6ヵ所ある。そのうちで自治体が所有権を持つのは京セラドーム大阪と札幌ドームのみ。京セラドーム大阪はもともとオリックス系の企業が所有権を持っていたが、大阪市に無償譲渡し、現在は市が保有している。
他の、東京ドーム、福岡ドーム、ナゴヤドーム、西武ドームはいずれも施設所有者がドームを本拠地とするプロ野球球団に関係する会社だ。命名権が売却されているのは、福岡のヤフードームと大阪の京セラドーム大阪。
札幌ドームは、そもそも西武球団を準フランチャイズの地として札幌市が積極的に誘致しようとした経緯がある。当時の桂信雄市長は西武グループオーナーの堤義明氏のもとに出向くなどしたが、その後日本ハム球団が本拠地として活用することを決めた。
札幌ドームは、今や北海道日本ハムファイターズの代名詞にもなっており、市民、道民だけでなく全国の知名度も高い。
命名権売却に際して「札幌ドーム」の名称を残すことについて上田文雄市長は、「うぬぼれ、思いあがりかもしれないが『札幌』という名称にはプラスのイメージがあると確信している」と強調した。
京セラドーム大阪は、京セラが命名権を取得したものだが、京セラは大阪にグループ会社の京セラミタ(旧三田工業)を擁しており、大阪との地縁がある。
札幌ドームの命名権売却は地元北海道の企業が応募するには年間5億円という使用料ではハードルが高すぎる。仮に応募があったとしても、本州企業にならざるを得ない。北海道に縁のある本州企業で語感の響きが良いものを考えると、「トヨタ札幌ドーム」や「パナソニック札幌ドーム」などが上げられるが、もっと世界に目を広げると「グーグル札幌ドーム」、「アップル札幌ドーム」なども想定できる。
いずれにしても命名権取得は、札幌市の財政を手助けしようというふるさと納税のようなもの。市は3月中に売却先を選び、5月に新名称を導入する。果たしてどうなるか。