札幌駅と地下鉄大通間を地下で結ぶ札幌駅前通地下歩行空間のオープンまで2ヵ月を切った。現在は、工事も九分九厘終了し電気設備等の最終チェックの段階に入っている。多くの人が行き交う前の地下歩行空間を歩いてみた。
北2条通の交差点にある出入り口から地下に入ると、地下歩行空間のちょうど中間に位置する。道路幅は20m、歩数では24歩くらいだが、広々とした空間に圧迫感はない。
ところどころに、天窓のような自然光を取り入れる
細長いスルーホールが取り付けられている。見上げてみるとガラス窓から空が見えていた。ガラスには雪が積もらないようにヒーター機能が付いているという。
札幌駅に向かって歩くと北3条広場に着く。広場といっても通行帯から奥まった部分に作られており西側は約300㎡、東側は約110㎡の広さ。西側には9面の大型マルチビジョンが2つ設置されている。イベントや展示、休憩スペースとして利用される。
広場から札幌駅方面に歩き始めるとやや下っていることに気づく。
札幌市の担当者は、「北3条通から北4条通にかけては下りになります。勾配で言えば1000の5パーミル。つまり1000mで5mの高低差があります」
遠くまで見通せる状況ではこの高低差がわかるが、多くの人が通行していれば気づかないほどの傾き。ただ、車椅子の利用者は分かる傾きだという。
北3条通から北4条通にかけては地下鉄南北線の建設当時に作っていた躯体をリニューアルした部分。そのため北3条通から大通まで新規に貫通させた部分と天井の高さや柱の形状が違っている。天井高は、リニューアル部分が2・5mなのに対して新設部分は2・8m。また、既設部分と新設部分は若干ずれた状態で接続されており、地下歩行空間は正確に言えば一直線にはなっていない。
地下歩行空間の全長は680m。札幌駅側から大通までを望むと両端の円柱がシンメトリーな遠近法で描いたように視覚に入ってくる。2ヵ月後には多くの人が行き来する雑踏の熱気がこの空間を満たすことになる。
(写真上=自然光を取り入れるスルーホールが地下歩行空間にところどころに配置されている
写真下=札幌駅側は既設の地下空間をリニューアルしたため天井の高さと柱の形状が違う)