P1070033 来春の札幌市長選候補として自民党が推薦を決めている本間奈々氏(44、元総務省自治大学校研究部長)への支援で、経済界に逆バネ現象が広がっている。1月中旬に市内経済人27人が民主系上田文雄市長(65)の腹心とされる副市長の秋元克広氏(57)擁立に動いたことが逆に本間氏支援への流れを作っている格好だ。(写真は札幌市役所)

 
 本間氏が19日に開いたセミナーでは当初予想の7~800人を大きく超える1200人が出席、「現状でも経済界の半数は本間氏支援だ」と経済界の有力者は本間支持が今後も増えると強調する。
 札幌商工会議所に所属する有力経済人は最近、議員約100人にアンケート調査を実施した。その結果は、現時点でも半数以上が本間支持の意向を示しており態度を表明していない浮動層と合わせると本間氏支持の流れは着実に広がっていることが分かったという。
 
 19日のセミナーでも、経済界有力者たちが相次いで出席、北海道経済連合会の近藤龍夫会長が挨拶で本間氏への期待感を表明したほか、欠席した札商高向巖会頭に代わって挨拶した布施光章副会頭も本間氏支持を明確に示した。また公明党北海道本部代表の稲津久衆議は出席しなかったものの代理の挨拶で本間氏支持を滲ませた。
 
 来春の市長選を巡っては、札商副会頭ら市内の経済人が現職の上田市長に近いとされる秋元副市長を自民党候補として擁立する動きを年初に見せていたが、自民党の候補選考に漏れ経済界には足並みの乱れが表面化していた。
経済界に広がってきた本間氏支持の流れは、こうした一部経済人の秋元氏擁立に反発、逆バネ効果で経済界結束を促していることも要因のひとつに挙げられる。
 
 もっとも、秋元氏擁立の動きは消滅したわけではなく水面下で進んでいるようで、「6月の第2定例市議会で(秋元氏は)退職する」、「出馬表明は9月以降」など、最近の選挙の傾向である“後出しジャンケン”でムードを一気に盛り上げて行く作戦も囁かれている。また、現職を支える副市長ということで民主党色を薄めるため市民会議的な組織を作ってオールサッポロをアピールする受け皿作りも検討されているようだ。
 
 本間氏を支持する経済人の1人は、「態度を表明していない上田市長が4選を目指すことになれば本間氏勝利はなかなか大変だが、秋元氏との一騎打ちになれば勝てる」と自信を示す。秋元氏擁立の波が高まれば高まるほど、逆バネ現象で本間氏支持が広がる構図は当面続きそうだ。


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