4月12日投開票の道知事選に出馬するフリーキャスターの佐藤のりゆき氏(65)が26日、札幌市中央区の札幌パークホテル地下2階パークプラザで政経セミナーを開催した。一般的な政経セミナーと違い、和太鼓や相撲甚句なども披露されトークショーに近い形式での1人5000円の資金集めパーティー。主催者の「佐藤のりゆきを応援する会」によると受付は2100人が済ませ、会場には約1300人が集まった。(写真は、決意表明する佐藤のりゆき氏)
佐藤氏は、2月に入って民主党北海道の支持、連合北海道の推薦、共産党道委員会の支援を受けたことから、会場には民主党北海道の勝部賢志幹事長、連合北海道の工藤和男会長、共産党道委員会の宮内聡市民部長が出席したものの、「以前からお付き合いのある方々に参加してもらいたかったので動員はいりませんとお願いした」(佐藤氏)こともあって国会議員らの姿はなかった。
オープンニングで和太鼓が披露された後、応援する会会長の前田正秀クラーク総研社長が挨拶、「北海道は暗い深いトンネルの奥底にいて出口がまだ見えない状況。これを救うためのビジョンが“のりさん”の新北海道デザイン。道民の力で道民の描いた道を“のりさん”に託そう」と語った。
その後、佐藤氏が地場産業として育成を目指している産業用麻に因んで古来より麻を利用している小鼓や尺八などの和楽器演奏が行われた。
演奏後にヘッドマイク姿でひとり壇上に上がった佐藤氏は、「民主党の支援、連合北海道の推薦は全道行脚の大きな励みになった。会ったことも話したこともない共産党の支援は予想外のことだった。今、私は野党連合の中に立っているように思われるが気持ちはあくまで道民党。応援してくれる政党、団体が民主党であり共産党だと理解している。地方選挙は保革の対決ではない。道民党を大事にしてぶれないで守り通す」とあらためて道民に立脚するスタンスを強調した。
キャスターとして40年を超えるキャリアから繰り出される言葉は、ポンポンと参加者に飛び込んでくるが、根底にあるのは「今のままの北海道ではだめ」という想いのようだ。「これから北海道を語る時、主語を変えなければいけない。今までのリーダーは『国は』『国が』と言ってきた。私たちは『北海道が』『北海道の我々は』と主語を変えよう。知事室の隣に市町村長が道政顧問として集まり一緒に政策を作って行くのが本当の地方自治の姿。北海道の179市町村に研究所や会社を作る『一村一社』で若者たちが働く場を作ろう」と訴えた。
また、原発問題に絡み、「国の安全保障の柱は食であるべき。北海道の一次産業がなければ国民は食べていけない。そのためには脱原発が必要でそのことは国が考えなければならない」と北海道は国の政策としても脱原発を進めるべきという姿勢を示した。
「(髙橋はるみ候補との)一番の対抗軸は、私は北海道に骨を埋めるということ。だから最後まで責任を取ることができる。土俵上で(髙橋候補と)がっぷり四つに組んで最後は1票差で勝ちたい」と締めくくった。
約40分間、ハーバード白熱教室のマイケル・サンデル教授ばりに佐藤氏は語り続けた。
佐藤氏と同じ町内会の有志たちによる相撲甚句が披露された後、佐藤氏と北海学園大同窓で8万人を超える北海学園大同窓会副会長の宮本正嗣氏(岩倉建設執行役員)が音頭を執りガンバローコールを三唱、知事選に向け士気を高めた。
(写真は、北海学園大同窓会の宮本雅次副会長の音頭によるガンバローコール)