サッポロホールディングス(HD、本社・東京都渋谷区)は、グループ会社、サッポロ不動産開発(同・同)の全株式を段階的に米投資ファンドKKRなどに売却する。譲渡価格は4470億円、資金を酒類事業に集中投資する。
(写真は、売却対象外の「サッポロビール博物館・サッポロビール園」)
サッポロ不動産開発が、札幌市内に所有している不動産の代表格は「サッポロファクトリー」、「ホテル創成札幌Mギャラリーコレクション」(札幌市中央区)と「サッポロビール園」「サッポロビール博物館」、「アリオ札幌」(同市東区)。「サッポロファクトリー」、「ホテル創成札幌Mギャラリーコレクション」は、サッポロビールの旧第1工場跡地に整備され、「サッポロビール園」「サッポロビール博物館」、「アリオ札幌」は、第2工場跡地に整備された。今回のサッポロ不動産開発の全株売却で、譲渡先のKKRに不動産が移るのは、第1工場跡地の不動産全て。
一方、第2工場跡地は、残る不動産と残らない不動産に分かれる。残るのは、「サッポロビール園」と「サッポロビール博物館」、残らないのは「アリオ札幌」(土地)。「サッポロビール博物館」と「サッポロビール園」の赤レンガは、札幌製糖会社の工場として1890年に建設され、1905年から札幌麦酒会社の製麦工場として使われてきた。明治の面影を残す文化遺産で、北海道遺産にも指定されている。サッポロHDが売却対象から除外したのは、当然の措置だった。
この結果、第2工場跡地約3万3846坪(11万16792・1㎡)のうち、「アリオ札幌」の敷地約7298坪(5万7086・02㎡)と旧「スパ・レジャー館」の跡地約4574坪(1万5096・66㎡)は売却対象となり、「サッポロビール博物館」と「サッポロビール園」の約1万1972坪(3万9509・42㎡)は、サッポロHDが所有することになる。ちなみに、現在は、全敷地がサッポロ不動産開発の所有となっている。第2工場跡地の7割が売却対象となり、残り3割が、サッポロHDに残ることになる。



































