マチの新陳代謝は、建物の解体・新築が大きな要素を占める。見慣れた建物が解体され、新しい建物が建設され、マチは生まれ変わっていく。札幌には今、中心部にも郊外にも数多くの新陳代謝の姿がある。札幌の今を記録する『札幌の今、解体ノート』の2024年の2回目は、北区北33条西5丁目の「テックランド札幌北33条店」。(写真は、解体工事が始まったテックランド札幌北33条店」)
札樽道小樽方面出入り口の札幌北IC(インターチェンジ)のすぐ近くにある「テックランド札幌北33条店」。この建物は、1973年に当時全盛だったボウリング場として建設された。札幌冬季五輪の翌年で、当時の空中写真を見ると、札樽道の札幌西ICと札幌JCT(ジャンクション)はまだ開通しておらず、建設用地が東に延びつつあることが分かる。ボウリングブームの終焉で、この建物に入る核テナントは、「コープさっぽろ」、「ベスト電器」、「テックランド」へと変化する。テナントと看板類は変化しても、外壁には丸窓があり、建物内部にはスロープと階段があって、ボウリング場の面影を随所に残していた。
核テナントととも営業していた「ゲオ札幌 北33条店」や「セカンドストリート札幌北33条店」、「フレッシュネスバーガー札幌北33条店」に続いて、「テックランド」が2024年1月28日で閉店、建物は役割を終えた。解体工事は、同年3月1日から始まった。注文者は、土地・建物所有者であるアズマエンタープライズ(本社・東京都千代田区)の親会社、永和不動産(同・同)。解体業者は大木建設(同・広島県福山市)、解体工事は同年8月10日頃まで続く。ボウリング場として誕生してから半世紀、時代とともに役割を変えた建物が姿を消す。跡地には、ヤマダデンキの新店舗が計画されているという。