テイクアンドギヴ・ニーズ野尻佳孝会長が語ったPIVOT跡地「札幌ダイビル再開発プロジェクト」の全容②

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 ダイビル(本社・大阪市北区)は、札幌の商業ビルだった「PIVOT」(中央区南2条西4丁目)の跡地を利用したホテル・オフイス・商業の「札幌ダイビル再開発プロジェクト」の計画を明らかにした。そのプロジェクトの全容について紹介する2回目は、プロジェクトの鍵になるホテル、「TRUNK HOTEL(トランクホテル)」を運営するテイクアンドギヴ・ニーズ(本社・東京都品川区)の野尻佳孝会長が語った「トランクホテル札幌」(仮称)の中身を紹介する。(画像は、「トランクホテル札幌」のラウンジパース)
(画像は、「トランクホテル札幌」の客室パース)
(写真は、概要発表会見で握手するダイビルの丸山卓社長とテイクアンドギヴ・ニーズの野尻佳孝会長=左)

「私たちが進めているブティックホテルというカテゴリーは、100室くらいの小さい規模で、地域の特性を生かし、建築や内装、インテリア、飲食などのコンテンツから、シャンプーなどのアメニティ、従業員のユニフォーム、接遇サービスまで、一つひとつにこだわったホテルのこと。地域の特性にフォーカスした、唯一無二の価値を提供するのが、ブティックホテル」

「高価格帯だが、世界のホテル業界でブティックホテルが一番成長している分野。その理由は、世界中でニューラグジュアリー層という人たちが増えていて、その人たちが好んで泊まっているから。ニューラグジュアリー層とは、宗教や価値観、性の多様性などを尊重する人たちで、ファッションを含むライフスタイル分野を牽引しているニューオピニオンリーダー。彼らは、安心・安定より未体験や唯一無二という体験を好む。『トランクホテル』は、そうしたニーズを満たす日本初のラグジュアリーブテックホテル」

「『トランクホテル』の特徴は、欧米人の利用率が90%以上と高いこと。ソーシャライジングという新たなホテルの試みに挑戦していることも、欧米旅行者に評価されている。ソーシャライジングとは、等身大でできる社会貢献スタイルのこと。建築、設備、内装などには、環境に優しい材料を使い、壁面には間伐材を多く使っている。家具などは、アップサイクル製品を使い、部屋やラウンジに飾っているアートワークは、重度の知的障がい者の方々とコラボして描いてもらった作品。その絵画などを販売できる仕組みも構築している」

「地域密着型のホテルなので、渋谷の『トランクホテル』では、渋谷の街が抱える課題を解決しようと活動しているNPOの方々に、ホテルでプレゼンをしてもらい、従業員スタッフが応援したいNPOを選び、ホテルの売り上げの一部を寄付する仕組みも導入した。また、イベントで使われた花をブーケにして、500円で販売する取り組みも毎週行っている」

「自分のライフスタイルに取り入れることができる、等身大の社会貢献ができるホテルというコンセプトを打ち出したことが、海外から高い評価を受けることに繋がった。『トランクホテル』は、アジアを代表するラグジュアリーブティックホテルブランドになっている」

「札幌の『トランクホテル」はの客室数は、100室前後を予定している。東京の『トランクホテル』は広さ30㎡くらいだが、札幌は40㎡から60㎡の広さをスタンダードにする。宿泊単価は6万円から予定している。スイートルームは10室ほど用意して、広さは80㎡から300㎡。300㎡のスイートルームには、プライベートスパも用意して、テラスも設置する。価格帯は50万円から60万円。海外の著名な方々が北海道に来た時に、きちんと宿泊できるレベルのラグジュアリーなゲストルームにする」

「シネマルームを含め、大きさ、規模、デザイン、設備の異なる多目的スペースも用意する。謝恩会から送別会、忘年会、展示会、発表会、結婚式、誕生日会など使いやすいようにする。飲食は北海道の食材をメインに使うダイニングとカフェラウンジバーを設ける。天井はアトリウムにして、昼はアフタヌーンティーの提供、夜は生演奏も想定、ラグジュアリーな空間を演出する。地元の方々も宿泊客も、皆さんが使いやすいラウンジスペースにしたい。さらに日本で一番予約の取りずらい東京の寿司店をスペシャリティレストランとして誘致する」

「最上階にはスパを予定しているが、日本で見たこともないようなクオリテイの高いスパにする。こちらは宿泊者のみの利用となる。『トランクホテル札幌』に食事に行きたい、おしゃれなイベントを開催したい、泊まりたいというような目的をもって利用してもらえるデスティネーションホテルを目指していきたい」(終わり)

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