JR北海道グループと札幌市は、「北5西1・西2地区市街地再開発事業」(仮称)の整備方針をまとめた。商業施設「エスタ」解体後の跡地と札幌市が保有する用地を一体化した、2ha超の駅前敷地を活用した大規模開発で、北海道新幹線札幌駅開業や2030年札幌冬季オリンピック・パラリンピック招致を見据えた「世界へつながる“さっぽろ”の新たな顔づくり」を実現する。(画像は、「北5西1・西2地区市街地再開発事業」で整備される新ビル=右側のビル群)
事業主体は、札幌市、JR北海道グループ5社で組織する札幌駅交流拠点北5西1・西2地区市街地再開発準備組合。建物は地下4階、地上43階、高さは約245mとJRタワーの高さ約173mを超えて道内一になる。延べ床面積は約11万7727坪(約38万8500㎡)、容積率は約1500%。地下1階から10階までが商業施設で約3万3030坪(約10万9000㎡)、10階と14階から17階が宿泊主体のホテルで約4242坪(約1万4000㎡=約300室)、10階から12階、18階から33階がオフィスで約2万5909坪(約8万5500㎡)、35階から40階が国際水準ホテルで約7727坪(約2万5500㎡=約200室)、41階から43階が展望施設で約1363坪(約4500㎡)。設計は、日本設計・清水建設設計共同体、2023年度に着工し、2028年度に竣工する。
新幹線駅直結施設の立地特性を生かして、新幹線アトリウム、駅前広場アトリウム、バスターミナル待合アトリウムを整備、複数の交通機関との連携とおもてなし空間を提供する。世界最大のホテルチェーンであるマリオット・インターナショナルとの提携による国際水準ホテルや道内外の企業を呼び込む高機能オフィスを整備。約1000坪と市内最大規模の基準階フロアによって大規模な無柱空間を実現、多様なレイアウトに対応可能なオフィス機能を提供する。
商業施設は、地域資源や食文化を発信するほか、時間滞在型やコト消費型テナントも導入する。外観には、札幌の市街地を表現する格子状デザインに豊平川のような自然を表すスリットを設け、スリット内部には屋外を見渡せる屋内テラスを設ける。展望施設の頂部にはガラスのスカイボックスを配置、中層部屋上にはスカイガーデンも整備、イベントホールも中層部の上層階に設ける。