コロナ禍で国際ビジネスイベントなどのMICE(マイス)需要が見通せない中、札幌市がサンケイビル(東京本社・東京都千代田区)と組んで中島公園地区で計画していた「新MICE施設整備事業」が先送りされることになった。一方、施設予定地の東隣にあるヤマハセンター跡地(南10条西1丁目)で計画されているアクサグループの複合ビルは、今のところ延期される気配はない。「MICEは延びてもアクサは建つ」状況のようだ。(写真は、アクサグループの複合ビル建設予定地=手前。奥の建物は「札幌パークホテル」)

 札幌市はサンケイビルグループが所有運営する「札幌パークホテル」の建て替えと同時にMICE施設の整備を行う「新MICE施設整備事業」を策定、総事業費約340億円で25年度の施設完成を予定していた。MICE施設で大規模な国際会議や展示会を誘致、観光振興に繋げようという狙いだった。

 しかし、コロナ禍によりインバウンドが蒸発、国際会議も中止・延期されるなどMICE需要は激減。コロナの収束が世界的に見通せないため、サンケイビルの要請もあって市は事業を見直すことにした。1月28日には、市とサンケイビルグループはこれまで合意していた施設計画を再検討、23年3月までに事業実施を判断する覚書を締結、白紙に近い延期が決まった。

 こうして一端立ち止まることになった「MICE」だが、ヤマハセンター跡地で計画されているアクサグループの複合ビル計画は、今のところ延期される気配がない。ここでは総額約250億円が投じられてオフィスとホテルが入る複合ビル構想がある。現在、札幌三井JPビル(北2条西4丁目)に入っているアクサ生命札幌本社が移転する予定になっていて、災害時のBCP(事業継続計画)対応をより盤石にする狙いがあるとも言われている。

 こちらは22年着工、24年開業の予定。市の関係者によると「目下のところアクサ生命からは延期の話は来ていない」という。現下の環境を考えれば延期という選択肢もありそうだが、長期戦略を着実に実行するのは外資の特質でもある。「MICEは延びてもアクサは建つ」ことになるのかどうか。


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