サンケイビル(本社・東京都千代田区)子会社のグランビスタホテル&リゾート(同・同)が運営する「札幌パークホテル」が「ヒルトン札幌パークホテル」として生まれ替わる。現在の札幌パークホテルは、今年で築55年。建て替えが決まっていたもののホテルブランドは未定だったが、世界ブランドの「ヒルトン」の冠が付くことが決まり札幌の観光がさらに底上げされそうだ。(写真は、札幌パークホテル)

 グランビスタホテル&リゾートは、このほど米国バージニア州のヒルトンとフランチャイズ契約を締結、2023年に「ヒルトン札幌パークホテル」を開業することになった。北海道ではかつてウイングベイ小樽内に「ヒルトン小樽」があったが、2008年にブランド転換。現在は、「ヒルトンニセコビレッジ」が営業しており、「ヒルトン札幌パークホテル」はヒルトンブランドとして北海道2棟目になる。

 札幌パークホテルは、リコーの創設者、故市村清氏が率いる三愛グループが建設、「ホテル三愛」として東京五輪が開催された1964年7月に竣工した。その後、北海道炭礦汽船(北炭)グループの北炭観光開発に経営権が移り、66年5月に「札幌パークホテル」に名称を変えた。北炭観光開発は、三井観光開発に社名を変え、親会社北炭の債務を引き受けるなどして債務が膨らみ事実上破綻。

 2000年に入って、大和証券系ファンドが経営権を握るなどしたが、官民ファンドの企業再生支援機構が経営権を取得、15年3月にサンケイビルが大株主になって現在に至っている。55年間、決して平坦ではなかったパークホテルの歴史は、「ヒルトン札幌パークホテル」の誕生によって新たなスタートを切ることになる。

 グランビスタホテル&リゾートは、「札幌グランドホテル」も運営しているが、こちらは1934年開業の本館がベースになっており、建て替えは札幌パークホテル以上に急務。しかし、パークホテルへの投資を優先することになるため、しばらくは手つかずになりそう。こちらは2030年北海道新幹線札幌延伸を睨んだ建て替えになる可能性が高い。その時、冠のホテルブランドは果たしてどこになるだろう。


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