北陸銀行札幌支店ビル(札幌市中央区大通西2丁目)の建て替え工事が決まった。2021年4月に札幌支店と北海道事務所が移転、既存建物が解体されて24年春ごろに新店舗ビルがオープンする。落ち着いた佇まいの現支店ビルは55年で役割を終える。(写真は、建て替えが決まった現在の北陸銀行札幌支店ビル。屋上に「鶴の舞」の彫刻が見える)

 北陸銀行の前身、十二銀行(石川県金沢町=当時)が北海道に進出したのは1899年で、旧北海道拓殖銀行が設立される半年前。札幌支店の開設は1910年で、今年は札幌支店開設110周年の節目だった。
 
 現在の札幌支店ビルは、1966年8月に建設されたもので、ブラウンのタイルと白く象られた窓が印象的な建物。大通公園に面した場所に半世紀以上にわたって佇む姿は、変わりゆく世相の中で変わらぬ存在感を放っていた。
 建物の屋上には岩見沢出身の彫刻家、山内壮夫(やまのうち・たけお)の作品、「鶴の舞」が設置されている。竣工を記念して作られたもので、この彫刻に込められた想いが建物全体を包み込んでいる。

 そんな建物がいよいよ解体の時を迎える。札幌支店は21年4月12日(月)から、同じほくほくフィナンシャルグループの北海道銀行中央支店(南2条西2丁目14、同支店は21年1月18日に道銀本店営業部内に移転)に、北海道事務所は、21年4月5日(月)から道銀別館ビル4階(南1条西4丁目16ー2)に移転して営業を開始する。

 移転後に現札幌支店ビルは解体工事に入り、24年春ごろに新しい札幌支店ビルが竣工する。新しい建物の計画は公表されていないが、快適で機能的な新店舗にするという。なお、山内壮夫は、道銀ビル落成時の1964年8月18日に道銀本店内に設置された彫刻、レリーフ「大地」を本郷新、佐藤忠良と共同制作している。

 


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