札幌駅前通でオフィスビルの解体工事が始まった。札幌市中央区北3西3の「ヒューリック札幌NORTH33ビル」がそれで、目印となっていた猫のような彫刻作品「MANAZASHI」も撤去され、解体用防護フェンスの設置が進む。地上12階建てのビルが解体されて更地になるのは来年2月。(解体工事が始まった「ヒューリック札幌NORTH33ビル」)
「ヒューリック札幌NORTH33ビル」は、1992年2月に竣工。敷地面積約357坪(1179・50㎡)で地下1階、地上12階建て。2008年10月にヒューリック(本社・東京都中央区)が取得した。建て替え構想は17年から浮上。すべてのテナントの移転が完了したのは19年5月で、解体工事が始まったのは8月。竣工から27年、オフィスビルとしては早い寿命を迎えた。
このビルの隣には、1966年8月に竣工した「ヒューリック札幌ビル」(旧札幌富士ビル)がある。ヒューリックは、もともと旧富士銀行の不動産業務を担った「日本橋興業」がルーツ。こちらのビル解体を後回しにしたのは日本橋興業が建て主になって建設したという矜持があったためだろう。
「ヒューリックNORTH33ビル」を先行解体して建て替え、「ヒューリック札幌ビル」のテナントをそちらに移転させてから同ビルを解体、建て替えを機に両ビルを一体化する構想のようだ。
駅前通では、06年に日本生命札幌ビル、14年に札幌三井JPビルディング、17年に札幌フコク生命越山ビルが建て替えられ、20年春には大同生命ビル札幌ビルが建て替え竣工する。また、旧札幌西武跡を含む1haの再開発も予定され、向かい側の札幌第一生命ビルも20年度から解体工事が始まる。30年度の北海道新幹線札幌延伸を見据えた駅前通のオフィスビル解体、建て替えはさらに増えていきそうだ。