札幌市中央区北3西3の「ヒューリック札幌NORTH33ビル」が、建て替えを控えて人気のない森閑とした空気を醸し出している。テナント退去も進み、現在は4テナントが残るのみ。新年度から建て替えに向けた動きが進みそう。(写真は、「ヒューリック札幌NORTH33ビル」。左下のモニュメントが「MANAZASHI」)
「ヒューリック札幌NORTH33ビル」(以下、NORTH33ビル)は、地権者個人2人と長谷工コーポレーション(本社・東京都港区)が建築主になって1992年2月に竣工したオフィスビル。敷地面積約357坪(1179・50㎡)で地下1階、地上12階建て、延べ床面積は約3333坪(1万1016・97㎡)。
竣工後に不動産投資信託(JーREIT)に売却され、2008年10月に35億2000万円でヒューリックが取得した。17年になって同ビルの建て替えが浮上。テナント退去が進み、現在は4テナントが残るのみになっている。
ヒューリックは、もともと旧富士銀行の不動産業務がルーツで1966年8月に竣工させた北3西3の「札幌富士ビル」(現ヒューリック札幌ビル)も所有している。先行して「NORTH33ビル」を建て替え、その後「ヒューリック札幌ビル」を建て替える計画とされている。建て替え後には両ビルを一体化する構想もある。
そうした再開発を控えた「NORTH33ビル」の正面入り口前には、竣工当時から据えられた北海道の野外彫刻家、松本純一氏の作品「MANAZASHI」が静かに佇んでいる。御影石で作られたモニュメントの視線は虚空を見ているようで、森閑さをさらに際立たせている。