札幌市中央区大通の中堅オフィスビル2棟が売買されていることが分かった。大通西1丁目の「第2有楽ビル」が桂和商事(本社札幌市)に、大通西7丁目の「札幌パークフロントビル(旧千代田生命ビル)」が井門エンタープライズ(本社・東京都品川区)にそれぞれ売却されていたもので、活発なオフィスビル売買は不動産市況回復の兆しと見ることもできそう。(写真左は、第2有楽ビル、写真右は旧千代田生命ビル)
 

 第2有楽ビルは、大成建設の関連会社大成有楽不動産が所有していたもので、地下3階、地上10階建て。延床面積は約8500㎡。1972年2月に建設された。大成建設は資産処分を全国的に行っており、みずほ銀行の主導によって桂和商事に売却された模様。売却額は明らかになっていないが、土地建物には11億円の根抵当権がみずほ銀行によって設定されている。
 
 札幌パークフロントビルは、敷地面積約1796㎡で地下1階、地上12階建て。1983年12月に竣工し築後29年。旧千代田生命ビルとして知られていたが、その後ファンドに売却されていた。今回、取得したのは井門エンタープライズで取得額は23億円と見られている。りそな銀行が同額の抵当権を設定している。
 
 井門エンタープライズは、北1西3の駅前通沿いに井門札幌ビル(地上10階建て、1986年竣工)や南1西9に井門札幌S109ビル(地上6階建て、1985年竣工)、北7東3に井門札幌東ビル(地下1階、地上8階、1992年竣工)などを所有している。
 
 今年に入って以降、大通や駅前通など中心部では明らかになっているだけでも既に14件のビル売買があった。昨年を上回るペースで進んでおり、金融緩和で与信力のある企業にとってビル売買は買い手市場になっているようだ。


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