ポップカルチャーのセレクトショップ「graniph(グラニフ)」を展開するグラニフ(本社・東京都渋谷区)は、2025年11月15日、札幌一番街商店街に「グラニフ札幌」をオープンさせた。2023年12月オープンの「グラニフ東京」(東京都渋谷区)、2025年7月オープンの「グラニフ福岡天神」(福岡市中央区)に続く3番目の旗艦店。「ここにしかないグラニフ」にこだわった、体験価値を提供する旗艦店。同社の村田明彦社長に、札幌・大通に旗艦店を出店した狙いや同社のIP(知的財産)マーチャンダイジングの成長戦略について聞いた。
〈むらた・あきひこ〉1967年生まれ、明治大学卒業後、オンワード樫山に入社。ネットプライス(現BEENOS)、カフェグローブ・ドット・コム取締役COO、ベイクルーズ上席取締役、オンワードホールディングス常務執行役員を経て、2020年9月よりグラニフ代表取締役CEOに就任。
ーー「グラニフ札幌」の出店場所を、ここに決めた理由は。
村田 北海道の人口は約500万人で、そのうち4割弱が札幌圏に集中しています。私たちがリブランディングして以降、グラニフの商品をフルラインナップで揃えられる店舗が、札幌にはありませんでした。JR札幌駅前のステラプレイスに約11坪の店舗がありましたが、リブランディング以前の店舗だったので、幅広い品揃えができません。2、3年かけて探す中で、ようやく物件が見つかり、念願叶ってオープンすることができました。
当社は、2000年に設立、Tシャツ専門店としてスタートしましたが、今では業容をアパレル全般に拡大し、衣料品から服飾雑貨、生活雑貨、ホビー・トイまで幅広い品揃えで展開しています。それらをお客さまに提案できるお店を、札幌に出したいと考えていましたし、お客さまからも、そういった要望が来ていました。「グラニフ札幌」での取り扱いアイテム数は約2000、SKUは約3900あります。
ーーJR札幌駅前ではなく大通が適地だと。
村田 駅前では、私たちが望む広さで出店できる物件はなかなか見つかりません。カルチャー、ファッション感度の高いお客さまやインバウンド含めて、大通は、幅広いお客さまがいらっしゃるエリアだと思います。私たちは、札幌をはじめ東京、大阪、名古屋、福岡の5大都市にブランドの発信拠点となる旗艦店を展開したいと考えています。まずは、東京で表参道・原宿エリアに旗艦店を出店し、今年福岡にもオープンしました。今回、札幌でも旗艦店の条件に合う物件とご縁があったので、3店舗目のオープンとなりました。これからも、国内主要都市や海外を含めて発信拠点となるような店を展開していきたいです。
ーー「グラニフ札幌」の売り上げ計画は。
村田 スタートで年間3億円を計画しています。北海道では、この旗艦店と三井アウトレットパーク札幌北広島の2店舗体制になりますが、人口から考えると出店余地はまだあります。札幌以外のエリアも含めて出店を検討し、北海道全域のお客さまにブランドの提案をしていきたいです。
(写真は、「グラニフ札幌」の外観)
ーー「グラニフ札幌」を出店することで、経営的にはどういう効果がありますか。
村田 グラニフは、2000年創業で25年目ですが、まだまだ、ブランドとして認知されていないと考えています。多くの人に、もっとブランドを知ってもらい、興味関心をもっていただきたい。そのために、当然いろんなマーケティング活動をしていますが、リアルな店舗でのお客さまとの接点は非常に重要です。通常の店舗だけでなく、今回の旗艦店のように、よりブランドの理解が深まり、体験価値をしっかりと感じていただけるようなリアル店舗の出店を強化したいと考えています。
東京と福岡の旗艦店2店舗は、当初の想定を大幅に超える反響が今も続いています。売り上げもそうですし、お店に来ていただいたお客さまから、楽しかったというコメントなどがSNSでポストされると、改めて体験価値が高いことが分かります。これからのブランドづくり、企業の成長要因として旗艦店はすごく重要だと考えます。
ーー北海道への期待について。
村田 札幌を中心に、北のゲートウェイとして海外の方も多く来られています。北海道ならではの魅力に、日本よりも海外の方が気づいています。吸引力があるエリアなので、私たちのように、日本のみならず海外に発信していきたい企業にとって、札幌エリアはとても魅力的です。また福岡に続いて今回も、地元のローカル企業などとのコラボレーションを発表しています。札幌市円山動物園とヒグマドーナッツですが、地元に愛される企業などとのコラボレーションを今後も増やしていきたいと考えています。



































