ーーJR北海道の路線縮小問題は北海道の難題です。運賃値上げの問題も出てきましたし、石井会長のご意見は。
石井 私は、北洋銀行会長としてJR北海道の社外監査役をしていますのでコメントはできない立場です。ただ当事者間で様々な話し合いがされていますので、それをしっかりやってほしいと思いますし、様々な問題を共有しながらしかるべき方向を見いだしてほしい。しっかり時間軸を持って行うことが必要だと思います。
ーー泊原発の再稼働についてはどうでしょうか、方向性などについて。
石井 原子力規制委員会の安全審査を通すことが全ての議論の大前提だと思います。現段階でこれ以上コメントすることはできないですね。規制委員会の安全審査を経たあとで議論が出てくると思います。
ーー空港民営化について同友会会長としてのお考えは。
石井 民営化のそもそもの目的がしっかり成就され、北海道観光にしっかりとつながっていくことを期待します。今回の場合、他の民営化のケースと違って7空港を一緒に運営するので北海道にとって大変大きなテーマだと思いますし、ぜひ民営化によって北海道観光にプラスにつなげていただきたい。
ーー北極海航路については、前横内龍三代表幹事も非常に熱心に取り組んでいらっしゃいました。現状はどんな進捗状況でしょうか。
石井 北極海航路の検討会を立ち上げたのは、世界的な地球温暖化によって北極海の海氷面積が減少し、夏場にヨーロッパとアジアを結ぶ航行が可能になってきて、北海道は北極海航路のアジアの玄関口として地理的な優位性があるからです。北極海航路を活用すれば、北海道にとって新たな成長戦略の一つに結びつくのではないかということで検討を開始しました。
この間、同友会では関係者を集めましてロシアのムルマンスク周辺、フィンランドのヘルシンキを視察したりしました。また非常に大きな動きは、今年5月にこうした私どもの活動により、北極圏8ヵ国のビジネス関係者で構成された北極経済評議会、道庁、北海道大学が協賛して第3回目の北極圏ブロードバンドサミットが北大を中心に開催されたことです。この中で、航路だけでなく北極圏での海底データケーブル、ICTインフラ事業計画についても様々な意見交換がありました。北極圏の中で私どもの活動がそこまでつながってきたのは、大変大きな進歩だと思います。
ーー会長としては、どのくらいのスパンで北極海航路の具体的な動きが始まると考えていますか。
石井 日露関係が非常に友好的なムードになっていますし、なるべく早くできれば良いと思います。これから寄港する港湾の問題ですとか、様々な課題があると思います。日本では苫小牧港が一番有力だと思います。北米航路と両方の寄港地になるからです。