札幌商工会議所・岩田圭剛会頭インタビュー、『パワーアップ!札幌』で北海道経済を牽引

経済総合

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 ――北海道新幹線の札幌駅の位置もまだ決まっていませんが、会頭の考えはどうですか。

 岩田 我々はどの案が良いということを出したことはありません。現駅案というのは、JRTT(鉄道建設・運輸施設整備支援機構)の案で国が認可をしています。東側案、西側案、地下案はJR北海道が出した案、西側、地下案がダメになり東側案と現駅案で調整中です。その結論はもうまもなく出てくると思いますが、我々は全く何の情報ももらっていない。聞くと、『こういうことがあります』とそれぞれが仰る。早く決めて欲しいということしか言えません。
 
 ――新幹線の札幌延伸の後を見据えて旭川、新千歳まで伸ばそうという声も出ています。

 岩田 まず我々としては札幌までの1日も早い延伸、場合によっては5年ぐらい早めてもらえることが第一の考え方です。その上で基本計画路線が旭川までありますからそちらにも目を向けたい。四国や東北でも基本計画路線の実現に向け声をあげています。我々も声をあげていかなければならないが、まずは札幌延伸を実現した後、道北・道東に新幹線効果を上げていくためにもぜひ基本計画路線の実現や第二青函トンネルのことも含めて運動を起こしていきたい。

 第二青函トンネルは最近あちこちで話題になってきて我々も非常に心強い。できれば札幌延伸に間に合わせたい。4時間という枠内で東京とつながるには第二青函トンネルは必要。物流面で北海道と本州の貨物をなくすわけにはいかないですし、貨物の重要性はますます高まるので運動を起こしていきたい。

 ――第二青函トンネルを作るとして建設期間は何年間くらいなのでしょうか。資金的にはどのくらいのイメージですか。

 岩田 10年あればできます、JAPIC(日本プロジェクト産業協議会)の試算では7000億円くらい。70年でペイするとか、50年で元が取れるなど様々なケースがあります。内径を小さくして距離も30㎞や50㎞などにする方法も考えられています。

 ――ところで、JR北海道の路線縮小への基本的なスタンスは如何ですか。どういう解決策があるか岩田会頭自身のお考えをお聞かせください。

 岩田 我々、商工会議所としては要望提言書をまとめました。各沿線の会議所が専門家を交えて『検討委員会』を作ってまとめたものです。国や道に対する要望、JRに対する要望のほか我々は何をしなければいけないかということも全部まとめました。JRの存続問題は単にJRの経営問題ということだけではなく、地域の総合交通体系をどうしていくかということ。地域として本当に鉄道が必要なのかを考えなければいけない。単に廃止に反対だとか、存続させようということだけでは解決はできない。我々は今それぞれの地域で勉強会や研修会も含めて開催していきます。

 道は2020年にインバウンド500万人を目標にしていますが、インバウンドの個人客がものすごく増えていて彼らはJRで移動するケースが結構多い。500万人を受け入れることはJRの路線問題に大きく影響するわけで、当然、観光のために必要な路線もあります。貨物のことも考えなければならない。

 ――北海道電力泊原子力発電所に対してのスタンスはどうですか。
 
 岩田 全国一電力料金が高い状況は何としても解決しなければなりません。安全を確保した上で、早期に泊原発を動かして欲しい。将来的にはエネルギーのベストミックスという形にすべきだと思います。

 ――北海道日本ハムファイターズの新球場問題は、経済界としてどう捉えていますか、

 岩田 私どもとしては現在の札幌ドームでやっていただければ一番ありがたい。札商はドームの株主でもありますし、建設する時からそういうつもりでおりました。ただ、今は北海道日本ハムファイターズが立派な絵を描いてやっておられるので、何とか上手く皆さんが納得できるような場所に建設していただければと思っています。

 ――札幌市が道立共進会場跡地ほか八紘学園の一部用地を候補地にあげて、様々な調整をしている段階ですが、経済界としては日ハム新ドーム誘致に向けて動いていますか。

 岩田 具体的には動いていません。

 ――経済界は是々非々で対応するということでしょうか。

 岩田 そういうことです。現状は、決定までに時間がかかるのかを含めて我々には全然わからない状況です。いずれにしても皆が納得できる場所にできればよいですね。

 ――本日はありがとうございました。

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