札証アンビシャス上場・エコモット入澤拓也社長インタビュー

経済総合

IMG_5403(写真は、札証アンビシャス上場通知書交付式で札証の鐘を鳴らすエコモット取締役ら)

—―『FASTIO』には具体的にどんな利用がありますか。

 入澤 例えば製造業のお客様に向けたモーター故障予知のシステムがあります。食品工場ではブロワーという空気を吹く機械がありますが、それが止まると製造ラインが一気に止まってしまうので、モーターに異常振動などが起きていないかをセンサーをつけてモニタリングすることで解決しています。17年3月期の売上高は、その前の年に比べて1・9倍に当たる13億7100万円になりましたが、一番貢献したのは『Pdrive』。自然に市場が伸びていくようなIoT時代の追い風を感じています。

 ――IoTの市場はますます拡大していくことが予想されます。

 入澤 第4次産業革命とも言われていますから市場は伸びています。4月に出たIDCジャパンのデータによると、IoTの国内市場は13兆円になると言われています。我々が持っている強みで一番大きいのはこれまでの様々な実績です。いろんな現場にソリューションを付けてきた実績と10年間に亘ってIoTのど真ん中で仕事をやってきたことによって培ってきた技術力、ノウハウ、営業力です。

 ――AI(人工知能)、ロボット、IoTが第4次産業革命のカギを握ると言われています。

 入澤 今後、AIと連携していくということが絶対的に必要です。なぜAIとIoTかというと、人口減が進むからです。働く人が少なくなり、働き方改革でますます人が足りなくなる。AIとIoTとロボットで脳と五感、そして腕になる機能を持たせ人を代替するようにして生産性向上や効率アップに繋げたい。

 ――起業から10年で上場に至った訳ですが、これまでを振り返ってこれからの若手起業家などに伝えたいことは何でしょう。

 入澤 金融機関や公的支援機関などに支えられて、ようやく上場というひとつの旗を立てられたことは非常に意味があると自分自身も思っています。ベンチャーが成功したと言えるまでにはやはり最短でも10年はかかります。グローバル創業・雇用創出特区の福岡市はベンチャー支援制度がかなり充実していますが、ここ札幌市にも様々な起業、創業の制度があります。福岡市に負けないようにベンチャー企業がたくさん出てくる風土を創る一役を担いたいと思っています。

 企業の成長エンジン役は、言うまでもなく人材です。良い人材を採用することはとても大切。私はベンチャーを起業して成長させようとしている起業家の方々にこう言いたい。それは、まず人材や技術を蓄えて創業期に恐れることなく赤字を出せということ。創業期のシード(種)の段階で、例えば3億円をベンチャーキャピタルやファンドから入れてもらったら、その3億円を使い切ってでも人を雇い、会社を大きくしたうえで赤字を出しても良いと。その後に業績を伸ばしていけば、着実なトップライン(売上高)を描けます。それを今、すごく感じています。 (終わり)

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