マツコも注目!『タコ箱漁オーナー』を復活させた『ひとと』藤谷透代表取締役インタビュー

経済総合

 ――いろんなネット通販がありますが、タコ箱漁オーナーはどこが違うのですか。

 藤谷 タコ漁師の阿部さんを前面に出して、地元の小平町も巻き込んだネット通販という意味では、一般的なネット通販とはかなり違います。地域の町おこしにもつながりますし、オーナーになろうと思う人も町おこしに協力したいという気持ちがでてくるのでしょう。形を変えたクラウドファンディングと言うこともできます。

 ――実際のタコ箱漁はどのように行われますか。

 藤谷 阿部さんが行っている通常のタコ箱漁と同じで、オーナーの番号の付いた箱を50個から80個を漁網に結び付けて、それを数列に並べて海底に落とすのです。タコは狭いところが好きですから箱の中に入っていく。何日間か海底に置いて引き揚げてオーナーの番号の箱にタコが入っていたら港で計量して写真を撮ったうえでボイルします。獲れた日の夕方か翌朝にはオーナーに送ります。7月22日には、オーナーとその家族を対象にしたタコ箱漁の見学会も企画していますから、どうやって漁をしているかを体験することもできます。 

 ――タコ箱漁オーナーは、付加価値を付けたネット通販と言えますが、御社の通販サイト『チョイペリ』は、体験型ネット通販という位置づけですね。

 藤谷 購買者が生産者を選んで(チョイス)、体験(エクスペリエンス)することができる顔の見える通販と言う意味で『チョイペリ』と名付けました。農林水産業に携わる生産者の気持ちを知ってもらい、少しでも体験をしてもらうのが『チョイペリ』の目的です。
 
 全国的にあまり知られていない北海道の農水産物やそれらが生産される地域を全国に発信して伝えたい。6月下旬には新ひだか観光協会と連携協定を結び、新ひだか町の生産者を応援していきます。当社が培ってきたノウハウを活かして新ひだか町を盛り上げたいと思います。

 ――地域の特産品をポストカードにしたカタログギフトもユニークですね。

 藤谷 現在は80種類くらいの特産品をポストカードにしています。1セット13枚(税別4700円)をギフトとして親しい人や友人に送ると、それをもらった人はギフトカードから好きな特産品を取り寄せることができます。単に商品を売るだけではなく、生産者をアピールして作っている人をより消費者に近づけるように工夫しています。
 地域ごとに特産品をポストカードにまとめると、その地域にはたくさんの特産品があることが発信できますし、その地域にとっても生産者同士の連携が深まるきっかけを作ることもできます。作る人と買う人を繋ぐだけでなく作り手同士を繋ぐ効果もこのポストカードにはあると感じています。
 
 —―多くのネット通販やカタログ販売の会社がありますが、「ひとと」は、地域の生産者と結び付きがあるところが強みになっていると言えそうですね。

 藤谷 大手の通販サイトは地域の生産者との結び付きがそんなに強くありません。当社は、足で築いた人脈を活かして生産者が作る商品をネットやカタログで販売している訳です。アナログで集めた情報をデジタルで発信していると言えるかもしれません。ネットの普及で何でもネットで完結しようという流れがありますが、それでは地域も生産者も消費者と繋がることはできません。当社はネットの時代だからこそアナログ的な人と人との繋がりを媒介していきたいと思っています。

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