札幌商工会議所は3日、創立110周年の記念式典・祝賀会を札幌市中央区の札幌グランドホテルで開催した。1939年(明治39年)10月9日に札幌商業倶楽府を改組して発足した札幌商業会議所が出発点。27年(昭和2年)の商工会議所法の公布により翌28年(昭和3年)札幌商工会議所に改称、今年は110年の節目の年にあたる。商議所議員や行政関係者など約400人が参加した。(写真は、記念式典で挨拶する高向巌・札商会頭)
記念式典の主催者挨拶で高向巌会頭は、「110周年の節目を機にさらに一層の前進を図る。少子高齢化、人口減少社会をどう乗り切るかが目下の最大の課題。道内各地域では過疎化が急速に進み、対策が講じなければ多くの町が消滅の危機にある。全道の商工会議所と手を取り合って豊かな北海道を守り、育てる取り組みを強力に進める必要がある。札商は、北海道の強みである食と観光を中心とする産業振興、中小企業支援などの事業展開に積極的に取り組み、中心的役割を担っていく」と述べた。
さらに、3月に開業した北海道新幹線に触れ、「北海道に新たな新幹線時代が到来した。開業効果を全道に波及させる取り組みを行い、その成果を十分に活用するように注力する。予定されている札幌までの延伸は、北海道経済の一層の加速材料になる」と話した。
続いて議員在任5期(1期は3年)以上の50人に議員表彰が行われ、代表して昭和ビル会長の倭昭三氏(8期)に高向会頭から表彰状が授与された。
その後、高向会頭が来年2月に30ヵ国、2000人の選手・役員が参加して行われる冬季アジア札幌大会への寄付金5000万円の目録を秋元克広札幌市長に贈呈した。
来賓として日本商工会議所副会頭で仙台商議所会頭の鎌田宏会頭(七十七銀行会長)、北海道経済産業局の児島秀平局長、高橋はるみ知事、秋元札幌市長がそれぞれ挨拶した。
祝賀会では、主催者や来賓など20人が壇上で鏡開きを行い、北海道経済連合会の高橋賢友会長が「道経連は42年の歴史なので札商の孫のような存在。人口減少、少子高齢化、台風災害と厳しい状況をこれから北海道経済は迎える可能性があるが、若い人たちに夢のある事業、政策を一緒になって取り組んでいきたい。新幹線札幌延伸、札幌オリパラに向けて一緒に手を携えていきたい」は述べ、「おめでとうございます」と祝杯の音頭をとった。
(写真は、祝賀会での鏡開き)