地元の北海道新聞はどうかと思ったら、以下のようなタイトル。
・「密も暑さも想定以上 五輪マラソン・競歩の札幌開催 道内外から観戦客」(8月9日付)
・「競歩2日目、交通規制17時間に困惑 渋滞を誘発/飲食店は閑散 沿道は再び『密』」(8月7日付)
選手の成績や競技の様子を除き、テレビ、新聞のマラソン・競歩に関してはほとんどがこんな感じで似た内容でした。
でも札幌会場だけではなく、東京での自転車競技についても「自転車競技、自粛求めたが沿道は密に 橋本会長『ルール徹底を』(7月24日付毎日新聞)」「自転車ロードレース沿道は『密』 夢の大橋の聖火台前も人多く(7月24日付東京新聞)」という「密」攻めが見られました。
札幌マラソン・競歩の報道によって読者からは、「札幌市民はコロナに対する意識が低い」などの言葉がSNS上で散見され、「札幌市民」がツイッターのトレンドワードになる始末。
最初から五輪報道に対して大手メディアに期待はしていませんでしたが、案の定でしたね。
SNS上では、ボランティアへの感謝とか「北海道旅行に行きたくなった」「北大の緑がきれい」とかポジティブな感想がたくさんあったでしょう。マンションのベランダから国旗を振っていたり、拍手をしていたりする人もたくさんいて明るい話題もあったでしょう。それなのに横並びに「密」や「自粛」ですか。
「観戦自粛むなしく」だの「沿道では密」だの、タイトルと共に観客を撮影した画像を掲載していますが、その画像は記者やカメラマンが会場に行って、撮影しているんですよね。
密だ、自粛だと書きながら自分たちは取材の名のもとに、札幌支社の記者やカメラマンだけでなく道外から札幌に来て取材して、人流も密も増やしているんですよね。
テレビ中継を観ていましたが、カメラマンとカメラマンの間の距離が近く、「密」ができていましたよ。
変な特権意識なのか知りませんが、「仕事だから自分たちは沿道の観客とは違う」とか、「東京五輪のオフィシャルパートナーになっているから」という言い分はそちらの都合です。密をつくっていることは間違いないはずです。
そんなに観戦自粛なのにと責め立てるのであれば、自らの行動で示せば良いのでは。
リアルエコノミーは「自粛だ」なんてとてもじゃないですが、書けません。道内各地に取材にも撮影にも行きますから。
毎日新聞北海道報道部は、「7日の女子マラソンでは、一部沿道で観客の『密』も見られました」「ススキノでは朝帰りという酔客の姿もありました」「沿道応援の自粛が呼び掛けられた五輪競歩ですが、帰宅時間帯だったこともあり、札幌駅前通は観戦の人、人、人……」などと連日ツイートしていますね。「権力の監視」じゃなく「市民の監視」ですか?もう恐怖すら感じますね。