セイコーマート(本社・札幌市)は、店内調理で出来立ての食品を販売する「ホットシェフ」が2014年に130億円の売上げになることを明らかにした。コンビエンスストア各社が積極出店を繰り広げる中で、競争は一段と激しくなっているが、セイコーマートは競争力のある「ホットシェフ」を強化していくことで全国コンビニと差別化した特徴をアピール、来店客増に繋げていく考えだ。(写真は、セイコーマート大通ビッセ店)
コンビニ各社の出店競争は苛烈を極めている。大手5社は14年度に全国で4800店を出店する計画で既に消耗戦に入っている。道内でも大手の出店増によって店舗新設の初期投資が高くなる傾向にあり、「ちょっとしたスーパーを建設するのと同じくらいの投資が必要になっている」(コンビニ関係者)ため、店舗採算の悪化は避けられない状況に入っている。
セイコーマートは、こうしたコンビニの同質競争とは一線を画し、強みのある分野を伸ばしていく成長戦略を採用、「ホットシェフ」もその一つ。
同社が店舗内で出来立ての「ホットシェフ」始めたのは1994年。おにぎりやフライドチキン、フライドポテト、カツ丼やカツカレー、豚丼温玉などをその場で作って販売、現在は道内1064店(13年12月末)のうち約700店に「ホットシェフ」を導入するまでになっている。
2013年の売上高は約116億円で伸びが大きいため、14年には130億円以上になる見通し。道内のみに限った外食産業の統計はないため、正確な数字はつかめないが、道内外食産業のトップはマクドナルドの年間約125億円とされている。「ホットシェフ」はそれを上回る規模に成長しそうだ。
「作りたての温かい食べ物を求める消費者のニーズは高い。1店当たりの伸びも大きいので力を入れて行きたい」(赤尾昭彦会長)としている。